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「仕事辞めたい病」は伝染する。

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今の職場(放課後等デイサービス)を退職する事が決まってからと言うもの、知らなくても良かった話が耳に飛び込んでくるようになった。

「職場からいなくなる人」ってのは気楽な存在。愚痴をこぼしたとしても上司や社長に伝わることがない。「王様の耳はロバの耳」と叫ぶ相手に持って来い…ってことで、同僚達から色々な話を聞かされる。その中で特にビックリした話を2つほど記しておきたい。

5月末に退職する看護師さんの引継ぎとして若い看護師さんが来てくれたのだけど、彼女からビックリするような話を聞かされた。

「あの…聞いていたお給料より5万円安かったんですけど、研修期間だから…って言われて。私は病院でしか働いたことないので分からないんですが、普通の会社だったら、これって普通なんですか?」と相談されて、思わず真顔になってしまった。

……そんなの普通じゃないです。研修期間とか言うけど、研修なんてロクにしていないし、彼女はいきなり普通の業務に従事している。ついでに言うなら5月末で退職する看護師さんに至ってはスタート月から給与は全額支払われていたのだ。

私は経理こそやっていないけれど、事務の仕事もしていて中の事情が分かるだけに「あっ…察し」となってしまった。

とりあえず新人看護師さんには「それって普通じゃないですよ」って事と「退職される看護師のさんの時は初月から満額支払われていましたよ」って事を伝えた。

新人看護師さんは「どうこう…って思ってる訳じゃないんですが、とりあえず6月は頑張ろうかな…って思ってます」と笑っていた。「とりあえず6月は」ってことは「それ以降については考え中です」って事だ。

……経営者、馬鹿過ぎないか?

看護師の採用は本当に難しくて放課後等デイサービスで働いてくれる若い看護師なんて、五体投地してでも働き続けて欲しいのに、どうしてそこを出し惜しみするかな。

しかも事業所は看護師配置が必須の施設なので、1人しかいない正社員の看護師が辞めてしまったら事業所を続けていけない。

ビックリした話はもう1つある。来年、児童指導員の資格が取れる無資格のパートスタッフから「近々、私も辞めるつもりです」と打ち明け話を聞かされた。

辞める理由は「生活が厳しいから」とのこと。シフト増をお願いしても聞いてもらえないので、もっとガッツリ働ける職場に移動したいらしい。

……とは言うものの。社長は無資格のパートスタッフのことは気に入っていて「児童指導員が取れたら常勤採用に格上げしたい」と考えている。「じゃあシフト増やしてあげたら良いのでは?」って話だけど、無資格なのでお金にならないから児童指導員が取れたら…って心積もり。

無資格のパートスタッフには「社長は児童指導員になったら常勤にするつもりでいるみたいよ」と告げたけれど「それは薄々感じていたけど、そこまで待っていられない」と。さらに言うなら「利用者さんのキャンセル増えたときに突然シフトを減らされるのも嫌なんですよね」とのこと。

新人看護師さんにしても、無資格のパートスタッフにしても、突き詰めて言うと「給与に不満があります」ってこと。

弊社の社長はどうして目先のお金のことしか考えられないのか不思議で仕方がない。

たった5万円をケチって、せっかく来てくれた若い看護師さんの信頼を失ってしまうとか愚の骨頂。看護師採用するための求人サイトにどれだけお金を突っ込んでいのかを考えれば「来てくれた人は長く働いてもらわなきゃ損になる」って分かりそうなものなのだけど。

無資格パートスタッフの扱いにしても同じこと。「加算が取れる児童指導員なら欲しい。無資格のうちは、ほどほどに働いてくれれば良い」って気持ちは分かるけれど、そもそも加算が取れる児童指導員で面接に来る人はいないのだ。「あと少しで児童指導員取れるのは分かってるけど辞めます」なんて言わせちゃいけないのに。

看護師が辞め、保育士兼事務員の私が辞め、せっかく入ってきた新人看護師と無資格パートスタッフが辞めようとしている。

福祉業界の待遇が悪いのは私が勤務していた事業所だけの話ではなくて、きっと福祉業界全体の問題なのだと思う。こんな状況だと良い人材が逃げてしまうのは当然の流れ。

私は職場を去る人間なので、私がいなくなった後で職場がどうなろうか知ったことではないけれど、一緒に頑張ってきた仲間達が不愉快な思いをするのは嫌だなぁ…と思う。だけど、どうすることもできないので「無理なら見切りつけて辞めてください」としか言えない。

仕事辞めたい病は伝染する。しかも感染力の半端ない不治の病。どこまで広がるのか見届ける前に私は脱出させて戴く。続きを読む→本日付けで退職することになりました。

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