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お昼ごはんから見えてくる格差社会

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私のパート先である放課後等デイサービスは、ざっくり言うと障害を持ったお子さんの学童保育。

基本的には学校(支援学校)が終わった放課後に利用者さん達をお迎えに行って、デイで過ごした後にご自宅へ送る流れになっている。

普段はおやつを食べて、何らかの活動をして帰宅してもらうのだけど、土曜日や長期休暇等、学校がお休みの日や学校が午前中だけで給食のない日はデイでお昼ごはんを食べることになる。

事業所によっては調理室があって、お昼ごはんを提供するところもあるけれど、パート先では各ご家庭で用意して戴くことになっている。

……とは言うものの、長期休暇に子どものお弁当作るのってけっこう大変。

お弁当を作らないご家庭の場合、お金をお預かりして児童指導員がコンビニで買ってきた何かを食べることになっている。子ども用のお財布にお金を入れて「お弁当お願いします」と言われた時に、買いに行くシステム。

コンビニ弁当をディスるつもりはないけれど正直言って「夏休み等の長期休暇で毎日コンビニ弁当…ってどうなんだろう?」と最初のうちはビックリした。

だけど各ご家庭によって色々と事情がある。

例えばシングルマザーで、非常勤雇用で、周囲からの助けもなくて、子どもは重度障害で手が掛かる…みたいなご家庭の場合、とてもじゃないけど毎日お弁当なんて作っていられない。「無理言うな」って話。

その反面、経済的にも時間的にも豊かな暮らしをしても毎日コンビニ弁当を利用されるご家庭もある。

他の放課後等デイサービスの場合、利用者さんのお昼ごはんってどうなっているんだろうなぁ。すごく知りたいし気になるけれど、周囲に聞けるような人がいないので、ずっと謎のままだ。

そして当たり前だけど毎日コンビニ弁当って意外とお金がかかる。「絶対に500円以下で。安ければ安いほど助かる」みたいな感じで予算設定されているご家庭もある。

ただ嚥下障害のあるお子さんだと、食べられるものが限られてくるので、もう毎日似たようなメニューになってしまう。例えば…

  • 嚥下出来そうな柔らかい丼物
  • 塩おにぎり&チルドパックのハンバーグ
  • 塩おにぎり&チルドパックのミートボール
  • 塩おにぎり&チルドパックの鯖の味噌煮

……みたいなメニューがグルグル回っていく感じ。ちなみにコンビニで買ってきたものは調理バサミで細かく切って食べて戴く。

私は食べることを好きなので密かに「あ~。野菜食べさせたいわ~。せめて豆腐。胡麻豆腐とか玉子豆腐とかもアリか。そうそう、たまには玉子も食べさせたいわ~」と思ったりもするけれど、気にしていてもキリがない。

そうかと思えば、めんどくさいペースト食や刻み食のお弁当を毎日キッチ持たせるご家庭もあって「我が子の食べ物とは言え、毎日このめんどくさいお弁当を作るのは尊敬いたします」と思うこともある。

放課後等デイサービスはその性質上、利用者さんの人数自体は多くないのに、それでも激しい格差を感じる。

格差社会に生きているのは障害を持ったお子さんだけの話ではなくて、障害のない子ども達にしても同じことだ。娘の周囲を見ていると、私達が育った頃よりも教育格差は激しくなっていて「それってどうなの?」と思うことが多々ある。

世の中には「お父さん会社員で、お母さんパート行ってて、お母さんが毎日映えもしない茶色いお弁当作ってくれて、部活とか習い事やって…みたいな生活を「普通くらい」って思っている人が多いけど、最近は「もうそれだけで人生上々だよね」って思うようになった。

私は子どもの衣食住と教育に関しては一定水準を保障する必要があるんじゃないかと思っている。

だけど、私はチンケなパート主婦で社会を変える力を持っていない。残念だけど自分と自分の家族を守るので精一杯。せめて誠意を持って仕事と向き合っていきたいと思っている。続きを読む→障害を持っていても普通の男の子だから。

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