滝口悠生

高架線 滝口悠生 講談社

作者の作品を読むのはこれで3冊目だけど、作者の作風は言って好きじゃない。それなのに、この作品に限っては「案外いいじゃない」と思ってしまった。初めて読んだ『愛と人生』も、芥川賞を受賞した『茄子の輝き』も「悪くはないけど楽しめないなぁ」って感じ...
滝口悠生

茄子の輝き 滝口悠生 新潮社

芥川賞受賞後、第一作とのこと。作者の作品は1冊だけ読んでいるけれど、受賞作は読んでいない。ちなみ以前に読んだ『愛と人生』はイマイチ楽しめなかったのだけど「もしかしたら芥川賞受賞作は面白かったのもか知れないし、芥川賞受賞以降はまた作風が変わっ...
谷村志穂

大沼ワルツ 谷村志穂 小学館

今回はネタバレを盛り込みつつ書くのでネタバレが苦手な方はご遠慮ください。 北海道の大沼と言う場所が舞台の物語。私は作者の作品はそこそこ読んでいるのだけれど、北海道出身の人だとは知らなかった。後で知ったのだけど、この作品は実話をベースに...
瀧本哲史

読書は格闘技 瀧本哲史 集英社

題名に惹かれて手に取った。読書と言うとインドアかつ陰気な趣味の王道だと思っていて「格闘技」だなんて思った事が無かった。もう題名だけで、某かの賞を差し上げたいくらいだ。それくらい題名にインパクトがあった。今回はいきになりネタバレと言うか、内容...
玉岡かおる

ひこばえに咲く 玉岡かおる PHP

実在の画家、常田健をモデルにした小説。常田健は常田健は「津軽のゴーギャン」と称されていて2000年、89歳で亡くなっている。 私はこの作品を読むまで常田健の事を全く知らなかったのだけど、作品を読んで「絵を見てみたい」と思った。青森県に...
滝口悠生

愛と人生 滝口悠生 講談社

図書館で表紙と題名に惹かれて手にとってみた。「そう言えば芥川賞を取った作家さんだっけ?」と読んでみたのだけど、私が予想した内容と全く違った話で困惑してしまった。落語をしているような雰囲気の表紙だったので「落語家の話かな?」と思ったのだけど、...
谷崎潤一郎

陰翳礼讃 谷崎潤一郎 中公文庫

法事のお下がりで戴いた水羊羹を食べていたら『陰翳礼讃』の羊羹のくだりが猛烈に読みたくなって久しぶりに手に取った。表題作を含む随筆集。 『陰翳礼讃』の羊羹の描写ほど羊羹を美味しそうに表現している文章を私は知らない。初めて読んだのは中学生...
谷崎潤一郎

刺青・秘密 谷崎潤一郎 新潮文庫

最近、ふとしたキッカケからツイッターで谷崎潤一郎が好きな人をフォローしてみた。その人は猛烈に谷崎潤一郎が好きらしくて、その人のツイートを見ていたら私も熱に浮かされるように谷崎潤一郎が読みたくなって久しぶりに手にとってみた。 数ある谷崎...
田中慎弥

宰相A 田中慎弥 新潮社

芥川賞受賞後の野心作との触れ込み。ツイッター界隈でいたく評判が良いので手に取ってみた。作者の作品を読むのはこれが2作目だけど、芥川賞作品は読んでおらず、作風はイマイチつかめていない。 小説家のTと言う男が、突然別次元の「日本」に放り込...
ダニエル・キイス

アルジャーノンに花束を ダニエル・キイス 早川書房

随分と前に読んだ作品なのだけれども、TV化するということでこれを機に、何か書いてみようかと思った。大好きな作品なのだが、テーマが重いので軽々しく語ってはイケナイような気がして、今まで避けていたのだけれど。 知的障害を持つ主人公の青年が...
ダイ・シージェ

バルザックと小さな中国のお針子 ダイ・シージェ 早川書房

文化大革命で騒然とする中国が舞台の物語。「再教育」と称して、農村へ送られた2人の少年が主人公と聞いていたので、自由を奪われて、辛い労働に従事する日々を描いた陰鬱な話かと思っていたけれど、清々しくて楽しい話だった。「ああ。若いって素晴らしい」...
檀ふみ

ありがとうございません 檀ふみ 日本経済新聞社

壇ふみのファンでもないのに、ついうっかりと手に取ってしまった。私の中の壇ふみは往年の名番組「NHKの連想ゲーム」の回答者というイメージが強い。最近は健康をイメージした食品のCMにもよく出てるなぁ…というくらいである。だが、しかし。どうしても...
檀一雄

リツ子その愛・その死 檀一雄 新潮文庫

最後に読んだのは何年前だったか……というほどに久しぶりの再読。檀一雄といえば『家宅の人』とこの作品が代表作になるのだろうか。この作品のタイルにもなっているリツ子は『家宅の人』に登場する主人公の妻とは別の人。リツ子が亡くなって、再婚した女性が...
檀一雄

火宅の人 檀一雄 新潮文庫

久しぶりに再読してみた。再読する作品というのは、多少ならずも愛情を感じている作品ばかりなのだが、この作品は「多少」どころか激しく好きだ。盲目的に愛していると言っても過言ではない。やたらと長いし、中だるみもするし、長い年月をかけて書かれたもの...
檀一雄

漂蕩の自由 檀一雄 中公文庫

作者のエッセイは「面白かった」というよりも「美味しそうだった」という感想を持つことの方が多いのだが、この作品もそうとう「美味しそう」な作品だった。ただ他の作品とは一線を隔しているのは「美味しそう度」よりも「心地よさそう度」の方が際立っていた...
檀一雄

花筐・白雲悠々 檀一雄 講談社文芸文庫

講談社文芸文庫はありがたいなぁ。文庫化されていない名作を少しづつ出版してくれるのって、本好きにとってはホントにありがたい。お値段は少々高めだけど、他では読めない作品も多いので、全然OK。ただ採算が取れているのだろうか? と素人ながら心配だっ...
檀一雄

小説太宰治 檀一雄 岩波現代文庫

この小説は檀一雄の夫人である、ヨソ子さんが1番好きな作品だという。小説としては、作者が書いた他の物に較べると見劣りするような気がするのだが「男・壇一雄」を偲ぶにはこれ以上の作品は無いようにも思う。作者の書いた私小説の決定版というと『家宅の人...
檀一雄

わが百味真髄 檀一雄 中公文庫

作者が美味しいと感じた食べ物についての小話がズラーッと並んでいるだけの、なんとも不毛な随筆集である。どこそこで食べた、なになにが美味しかったとか季節に仕入れた素材をこんな風に料理したら美味しかったとか、本を読んでいるよりも、随筆に書かれてい...
団鬼六

怪老の鱗 奇人・変人交遊録 団鬼六 光文社

官能小説の大家が書いた「変態さんいらっしゃい」なエッセイ集だった。作者の作品は何冊か読んだけれど、このエッセイ集を読んで作者のイメージが少し変わった。私の中で彼は「SM大王」とか「エロ怪人」なイメージがあったのだが、想像していたよりも、普通...
多和田葉子

雪の練習生 多和田葉子 講談社

ちょっと風変わりな話だったけれどかなり面白かった。人語を解する北極熊の「三代記」。サーカスの花形で自伝を書いた祖母、女曲芸師と伝説の『死の接吻』を演じた母、そして一時期世界的に話題となったクヌートの物語。「熊視点」で語られる話は斬新だが、し...