新野剛志

優しい街 新野剛志 双葉社

主人公は探偵。ある実業家から行方不明になった娘を探して欲しいと依頼を受けて物語が始まる。ツイッターが深く関わる話なので、ツイッターをしていない人だとピンとこない部分があるかと思うのだけど、ツイッターを楽しむ人達の中には本来のアカウントとは違...
新野剛志

戦うハニー 新野剛志 角川書店

初挑戦の作家さん。実は図書館の新刊コーナーで並んでいるのを見て、最近気になっている新庄耕の新作と勘違いして借りてしまったのだ。しかし、じっくり見てみたら「新」しか合っていないではないか。まぁ、それはそれで…って事で読んでみたものの全く面白い...
朱川湊

わたしの宝石 朱川湊 文藝春秋

中年はこの本を読んではいけないと思う。何故ならこの本は本気で中年を殺しにかかっているからだ。久しぶりの朱川湊。朱川湊ワールドを思い切り楽しませて戴いた。中年が主人公の短編集で中年でなくても楽しめると思うけれど、中年はより楽しめるのではなかろ...
新庄耕

ニューカルマ 新庄耕 集英社

作者の作品を読むのはこれで2冊目。初めて読んだ『狭小邸宅』は「上手いなぁ」と思ったものの、そこまで面白いとは思えなかった。だけど今回は面白かった。作者は目に見えて成長している。着実に上手くなっていると思う。 前回は住宅営業マンが主人公...
朱川湊

今日からは、愛のひと 朱川湊 光文社

私はなんだかんだ言って作者の作風が気に入っている。「人間っていいな」と思えるような作品が多くて、人の善意とか愛とかを信じさせてくれる夢見がちな作品が多い。いささかヲタクっぽいと言うか、ラノベ的展開が多いの事は分かっていても「細けぇこたぁ、い...
島本理生

匿名者のためのスピカ 島本理生 祥伝社

前評判を全く知らない状態で題名と表紙に惹かれて手に取った。前回読んだ『よだかの片思い』が良かったので、期待していたのだけど予想外の鬱本だった。恋愛サスペンスって事らしいけれど、サスペンス性は低くてどちらかと言うと恋愛小説だと思う。サスペンス...
ジョージ・マクドナルド

ふんわり王女 ジョージ・マクドナルド 太平出版

ここ数日、娘が寝る前に『ふんわり王女』を読んでいる。読み聞かせするには長い作品なので1章~2章ずつしか進まないけれど、娘は毎晩楽しみにしてくれているようだ。この作品は私が少女時代に大好きで、児童書や絵本を大量処分した後も捨てる事が出来ずに現...
志茂田景樹

黄色い牙 志茂田景樹 講談社

志茂田景樹と言うと「奇抜な格好でテレビに出てくる作家さん」と言うイメージが先行していて、今まて1度たりとも読んでみたいと思わなかった。最近は絵本の読み聞かせ活動をなさっているとのこと。正直、こんな骨太な作品を書く人だとは思ってもおらず、良い...
ジューン・ゴールディング

マグダレンの祈り ジューン・ゴールディング ヴィレッジブックス

どの国にも長い歴史の中には「恥部」のようなものが存在すると思う。この作品は、まさにアイルランドの恥部を暴露したと言っても過言ではないだろう。 未婚で妊娠した女性が出産するために用意された更正施設のことを書いたノンフィクションである。宗...
ジュンパ・ラヒリ

停電の夜に ジュンパ・ラヒリ 新潮社

ものすごく評判が良かった……らしい作品だったので「こりゃぁ是非、手に入れて読みたいものだ」と思っていて、図書館生活の合間に買う、特別な1冊として購入したのだが、私にはいただけない作品だった。好評を得たというのは、なんとなく分かるような気がす...
ジュノ・ディアス

オスカー・ワオの短く凄まじい人生 ジュノ・ディアス 新潮社

巷で大絶賛(?)だったので手にとってみたのだけれど、翻訳物を読み慣れていない私には敷居の高い作品だった。ピュリツァー賞受賞作。オタク青年の悲恋とカリブ海の呪い……ってことで宣伝されていたのだけれど、個人的には宣伝方法に疑問を感じずにはいられ...
ジャン・コクトー

美と王妃たち ジャン・コクトー 河出書房新社

西洋史の基本を知らない人間が読むには、ちょっと厳しいかな……と思った作品だった。ちなみに私には厳しかった。知的基礎体力の無さ過ぎに我ながら驚いた次第である。ジャン・コクトーの本文よりも、むしろ訳者の解説の方が約に立った気がする。 魅力...
白石一文

僕の中の壊れていない部分 白石一文 光文社

たぶん本年度マイ・ワーストワン作品になるだろうと思う。なにが「壊れていない部分」だ。壊れているとか、いないとかではなくて最初っから不良品だと思う。こういう文章が流通に乗っているということが驚きだ。文学界の仕組みって、一般読者にはよく分からな...
庄野潤三

ガンビア滞在記 庄野潤三 みすず書房

図書館で、この本の題名を目にした時、物知らずな私は「ガンビア」という言葉の響きから「アフリカとか南米とか動物が一杯いるような場所の旅行記に違いない。庄野潤三って、家族大好きなおじいちゃんだと思っていたけど、案外ワイルドだったんだ」と、自分勝...
庄野潤三

庭のつるばら 庄野潤三 新潮社

美味しい紅茶を飲みながら、ゆるゆると読むのが似合いそうな作品だった。子供達が自立して、夫婦だけの生活を描いたエッセイちっく小説だった。作者の作品は『貝がらと海の音』を読んで、辟易した覚えがあるのだけれど、今回はスムーズに読むことができた。 ...
朱川湊

満月ケチャップライス 朱川湊 講談社

私は作者が描く「人の温もりを感じさせてくれる物語」が大好きだ。正直なところ、全ての作品が最高に面白いって訳ではないのだけれど、読後に「でも良かったよね」と思える部分があるあたりが魅力だと思っている。しかし、この作品は読後感がイマイチ良くなか...
朱川湊

鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様 朱川湊 小学館

いかにも朱川湊人って感じの作品だった。この人の作品を読むのはこれで6冊目(読書録には5冊しか書いていない)なのだけど、流石にパターンが分かってきた。彼の作品は幽霊と人情と雰囲気で構成されている。話自体も悪くはないのだけど、雰囲気に流されてし...
朱川湊

太陽の村 朱川湊 小学館

冴えないニートのヲタクがタイムスリップして江戸時代に行く……と言う物語。実にパッっとしない作品だった。ライトノベルとも、大人向けのエンターテイメントとも分別し難く「いったい、どう言う層に需要があるんだろう?」と首を傾げてしまうほど。 ...
朱川湊

かたみ歌 朱川湊 新潮社

『幽霊譚』と言いたくなるような、ちょっと不思議な話を集めた連作短編集。時代は古き良き昭和。物語の舞台は「アカシア商店街」と言う、これまた昭和ちっくな設定。昭和と言っても私自身の子供の頃よりも、もう少し古い時代の話なのに、どこか懐かしさを感じ...
朱川湊

わくらば追慕抄 朱川湊 角川書店

前回読んだ『わくらば日記』の続編。前作の雰囲気そのままで、前作が気に入った人なら楽しめるであろう作品だった。推理…と言うかミステリ要素は前作よりも薄くなっているのでミステリーファンには物足りないかも。 このシリーズの良いところは「人間...