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きみ去りしのち 重松清 文春文庫

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お久しぶりの重松清。重松清は『ビタミンF』で直木賞を受賞。その後、家族や子どもをテーマにした作品を多数発表している。

私も一時期、重松清をなんとなく注目していた時期があったけれど微妙に自分の好みとズレる作品が多くて、ここ数年は作品から遠ざかっていた。しかし今回の『きみ去りしのち』は乳児を亡くした父の物語だと知り、読んでみたくなった。

「家族の死」と言っても子ども…特に赤ん坊を亡くすだなんて、こんなに残念で哀しいことがあるだろうか? 「重苦しいテーマをどんな風に昇華しているのか楽しみ過ぎる!」とワクワクして読んだのだけど、残念ながら全く私の好みではなかった。

今回はディスり系の感想になるので重松清が大好きな人は遠慮して戴いた方が良いかも知れない。

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きみ去りしのち

ザックリとこんな内容
  • 主人公の関根は満一歳を迎えたばかりの息子を亡くしたばかり。
  • 関根は前妻のもとに残してきた娘・明日香とともに旅に出るのだが、元妻も末期ガンてであるこ事を知らされる。
  • 関根と明日香は恐山や津波で多くの人命が失われた奥尻島。西の果て与那国島。そして島原などを旅する中で自分の気持ちと向き合っていく。

感想

「父と娘の巡礼の旅」みたいなノリで売り出していたんだけれど、設定からなにかに何まで1ミリも好きになれなかったし、私には理解不能だった。

主人公の関根が「子どもを亡くしたばかりの父親」って設定は分かる。関根が「元妻と一緒にいる不登校の娘と旅をする」って設定も分かる。娘の明日香が大人びた子になってしまった…って理由も分かる。

だけど関根にしても、元妻にしても親としてあまりにもクズ過ぎるのだ。そりゃあ娘の明日香がメンタル的な問題を抱えちゃうのも頷ける。

おい関根。お前、旅に出てる場合か?

関根にしても元妻にしても自分本位で親になる資格のない人だと思う。ひと言で言うなら「毒親」ってこと。両親ともいい年した大人なのに「自分探しの旅」が終わっておらず、自分のことしか考えていない。私の子どもが明日香がみたいな状況だったら、私はハゲるぐらいに悩むと思う。自分の哀しみとか余命とか言ってる場合ではない。

そもそも物語の構成自体、好きじゃない。

  • 乳児を突然死で亡くす
  • 元妻の子が不登校
  • 元妻は主人公との離婚後も何度も結婚と離婚を繰り返す
  • 元妻の末期ガン発覚からの元妻、死亡

……思いついた不幸を全部盛りにすれば良いってもんじゃない。それとも娘の明日香を不幸したい…ってだけの設定だったのだろうか?

重松清って、こんな作家さんだったっけか?

なんだか残念な気持ちでいっぱいになってしまった。子を亡くした親の哀しみとか災害とか、鎮魂とか、そう言うところを描きたかっただろうことは理解出来るのだけど私には1ミリも好きになれなかったし「重松清はもう読まなくてもいいや」と思ってしまった。

グッバイ、重松清。来世で会おう。

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