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少女モモのながい逃亡 清水杜氏彦 双葉社

清水杜氏彦は私にとって初挑戦の作家さん。そして『少女モモのながい逃亡』は第37回小説推理新人賞、第5回アガサ・クリスティ―賞の新人賞ダブル受賞した新人作家が書いた作品とのこと。

実のところ私はミステリ系が苦手なので、予備知識ゼロで手に取った。

物語の舞台はヨーロッパのとある国…って感じだけど、作者は名前からも推察できる通り日本人作家。要するに、隅から隅まで脳内創作…ってこと。

好みは分かれると思うのだけど私は「それっぽく書いたよなぁ」と感心したけれど、ノンフィクション的な逃亡劇を期待している人には向かない作品なので要注意。

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少女モモのながい逃亡

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ザックリとこんな内容
  • 物語の舞台は1930年代のヨーロッパのとある国。イメージ的にはロシアまたは東欧の共産圏の国。
  • 富農(土地を持つ農民)の娘として生まれたモモは農地と家族を奪われ、村から脱出して都会の町を目指す。
  • モモは苦難の末、都会にたどり着くが、そこはモモが想像していたような豊かな場所ではなく人々「相互監視」を強め、政府の政策に翻弄されていた。

感想

『少女モモのながい逃亡』を読んで何より感心したのは、ゼロから作った物語なのに、なんだか知っている国の本当にあった出来事のように思えてしまった…ってこと。

実際、共産圏の国(スターリン政権下のロシア)をイメージして書かれているのだと思うのだけど、何かの本や小説、あるいは映画で観たような逃亡劇が展開されていた。

主人公のモモは聡明な少女で生き抜く知恵を持っていた。

モモは貧しい上に思想的な抑圧がある村で暮らしていたものの、家族と暮らしている間はまだマシだった。何もかも失ったモモが村を出て都会を目指すところが地獄がはじまる。

ネタバレはしないけれど、もうどうしようもなく救いのない物語だった。

旅の途中でモモは死んだ弟を思わせるような少年と行動を共にしたり、モモと同じく逃亡してきた男を自分の部屋に住まわせてみたりと、人との関係を結んでいくのだけど、どの関係もやるせない形で断ち切られていく。

人によって考え方や好みが違うとは思うのだけど、私はもう少し救いがある物語の方が好みだ。モモの逃亡劇はあまりにも悲惨過ぎる。

作者は『少女モモのながい逃亡』で何を表現したかったんだろう?

凄い作品だな…とは思ったものの、好き嫌いだけで言うと、この作品はあまり好きじゃない。ただ。清水杜氏彦の作品は機会があれば、他のを読んでみたいな…とは思った。

 

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白い木蓮の花の下で
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