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電車のおじさん 辛酸なめ子 小学館

辛酸なめ子の作品を読むのは物凄く久しぶり。初めて読んだ作品は正直イマイチで「もう読まなくていいかな」って思ったような気がするけど、題名に惹かれて手にとってしまった。

『電車のおじさん』とか!!!!!

都会の通勤電車はおじさんだらけと言っても良い。そんな「おじさん」が主人公とか読まずに通り過ぎる訳なはいかない。

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電車のおじさん

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ザックリとこんな内容
  • 主人公の玉恵は総武線の通勤ラッシュに揉まれながら、今日もお茶の水の文房具会社に出勤するOL。
  • ある日玉恵みは突然知らないおじさんから怒鳴られる。玉恵は、そのむかつくおじさんのことを毎日毎日思いだし、いつしか脳内にそのおじさんの幻影を飼い慣らすようになる
  •  もう二度と会うことのない人だと思っていたおじさんを、たまたま街角で見かけた玉恵は、そっとあとをつけてみることに。
  • そんなことを繰り返すうちに最悪な出会いを果たしたはずのおじさんが、気になる存在となり、玉恵の心を占拠するようなり…

感想

主人公の玉恵は軽くストーカー気質が入っていると思う。軽く病んでいるし、何ならストーカー小説と言っても良いレベル。

玉恵は満員電車で自分を押してきた見ず知らずの「おじさん」を観察し、つきまとい、気にかけるようになっていく。そして「おじさん」への気持ちは恋ではない何かへと昇華する。

……冷静に読むとかなり引く。「それって、どうなの?」とも思うし「他にやることないの?」みたいな気持ちが湧いてくる。

だけど私は玉恵は玉恵を責める気にはなれなかったし、むしろ共感さえした。私もかつてOLだった頃、玉恵と似たような気質を持っていから。玉恵は野田秀樹が言うところの「妄想の一族」なのだと思う。

『電車のおじさん』は妄想癖のある人なら、それなりに楽しく読めると思うのだけど、そうじゃない人が読んで面白いかどうかは激しく謎。

軽い文章でスルスル読めるものの「読みごたえ」という意味ではイマイチだし、スカッとする要素は1ミリもないし、玉恵が人として成長する訳でもない。プラトニックラブと言えなくもないけけど、玉恵の気持ちを「愛」と言って良いものかどうか。

辛酸なめ子の軽めの文章は嫌いじゃないので、エッセイだったら「は~楽しかった」と思えそうな気がするけれど、小説となると物足りない感じ。辛酸なめ子の小説は私には合わない気がするので、もう読まなくてもいいかな…と思った。

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白い木蓮の花の下で
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