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乙女の家 朝倉かすみ 新潮社

最近、地味に朝倉かすみの作品を追っているのだけど、今回の作品はかなり良かった。

『乙女の家』と言う題名から「お嬢様とか、女子校とかそんな感じの内容なのかな」と前知識無しで手に取ったのだけど「3代続いたシングルマザーの女系家族」と言う意味での『乙女の家』だった。

軽めの文章でサクサク読める新聞小説。中日新聞に連載されていたとのこと。

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乙女の家

内縁関係を貫いた曾祖母(78)、族のヘッドの子どもを高校生で産んだシングルマザーの祖母(58)、普通の家庭を夢見たのに別居中の母(42)、そして自分のキャラを探して迷走中の娘の若菜(17)。

強烈な祖母らに煽られつつも、友の恋をアシスト、祖父母の仲も取り持ち大活躍の若菜と、それを見守る家族、それぞれに、幸せはやって来るのか。楽しき家族のてんやわんやの物語。

アマゾンより引用

感想

主人公の若菜は自分探し(作品の中ではキャラ探しとなっている)真っ最中の女子高生。文学少女の高橋さんとの家出未遂事件が物語のはじまり。

主人公の若菜と高橋さんが凄く可愛くて、40代のオバちゃんにはたまらぬものがあった。本を読む事の好きな女性だったら身に覚えがあるんじゃないかと思う。少なくとも私はそうだった。

特に文学少女の高橋さんの「若気の至り」は分かり過ぎるくらいだった。自意識過剰な中二病気質で「本好き人間あるある」の典型的って感じ。もっとも私は高橋さんほど突き抜けてはいなかったけれど。

一方、若菜は色々な意味で「善良で普通の女子高生」って感じ。

「空気を読む」ことに熱心で、周囲を観察する事も出来るし頭の回転も悪く無い。自分のキャラを探す…だなんて、大人から見ると微笑ましい限りだ。

真っ只中にいる時は微笑ましいどころか、必死なのだけど。若菜が友達や家族と関わることで成長していく姿はとても好感が持てた。

この作品。私の嫌いな「ヤンキー」が沢山出てくるのだけど、それほど嫌だとは感じなかった。と言うのもヤンキーが老人だったからだと思う。

正しくは「元ヤンキー」ってところだろうか。「俺も昔はヤンチャやっててよ……」と言うヤンキーの昔語りほど聞き苦しいものは無いと思っているのだけど「爺さん・婆さん」と呼ばれる年になると時効なのかも。

もしくは作者が描いたヤンキーは『ドラえもん』の「綺麗なジャイアン」ではないけれど「綺麗なヤンキー」だからかも知れない。

登場人物は圧倒的に女性が多いのだけど、男性陣も魅力的だった。「あ~。分かるわぁ。こういうタイプの男性って一定数いるよね」と思える描き方。

朝倉かすみは本当に人間を観察して描くのが上手いのだと思う。

ドタバタあり、考えさせらせれるところもありで、ほどよく面白い作品だった。

ドラマ向けかな……と思う。一生手元に置いておきたいほどではないけれど「読んで良かった」と素直に思える1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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