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きつねのおきゃくさま あまんきみこ サンリード

最近、わたしが子どもだった頃に読んでいた絵本の中で娘に読み聞かせていかった作品を毎晩1冊ずつ読み聞かせている。

私は基本的にに娘に本を勧めない。

娘は気に入った本を自分で読んだり「これ読んで」と持ってくるのだけれど、不思議と食わず嫌い的に「手に取ろうとさえしない本」がけっこうあった。

小学校2年生になった娘は絵本を卒業しつつあるので、娘が完全に卒業してしまうまでに「今まで読んでいなかった絵本」をひと通り読み聞かせていこうかと思い立ったのだ。

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きつねのおきゃくさま

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ザックリとこんな内容
  • 教科書でもお馴染みの作家あまんきみこの名作絵本。
  • 主人公のきつねは「太らせて食ってやろう」とひよこを家に連れ帰るのだけど、ひよこの事が大好きになってしまう。
  • きつねを「お兄ちゃん」と慕うひよこは他の動物(あひる、うさぎ)にも「お兄ちゃん」の素晴らしさを広める。
  • きつねの庇護のもとで幸せに暮らす動物達。
  • る日、動物達は狼の襲撃を受ける。
  • きつねは狼と戦って、一緒に暮らしていた動物達を守り抜いて、そして死ぬ。

感想

あまんきみこの『きつねのおきゃくさま』は教科書にも掲載されている有名な物語。

日本人の大好きな「他人のために生き、そして死ぬ」と言う王道展開の物語だ。

喰う・喰われるの関係だった動物が相手に愛情を抱いてしまったために「食べられなくなってしまった」と言うテーマは子どもの本の鉄板であると言ってもい。

矢玉四郎『じろきちおおかみ』、宮西達也『わたしはあなたをあいしています』、木村祐一『あらしのよるに』等、喰う・喰われるの関係を扱った作品は名作が多い。

しかし『きつねのおきゃくさま』は他の追随を許さないほどに残酷に仕上がっているところが素晴らしい。

『きつねのおきゃくさま』が他の作品と決定的に違うのは他の作品が「喰うもの対喰われるもの」だが、この作品は「喰うもの対喰われるもの達」という特異な設定になっているところにある。

一対一での愛情でさえ素晴らしいのに、それが複数なのだ。ひよこ、あひる、うさぎに慕われて幸せをの絶頂にいたきつねをラストであっさり殺してしまうストーリー展開に、子どもの頃はじめて読んだ時は「なんて酷いんだ」と衝撃を受けた。

そのばん。
きつねは、はずかしそうに わらって しんだ。

きつねの活躍で狼を追い払った次のページがこれである。2ちゃんねる的に言うと「きつね…無茶しやがって」ってところだが、子どもにこれは相当キツイ。

しかし敢えて、この展開を持ってきたところが名作の名作たる所以だと思う。

ディズニー映画なら、みなで力を合わせて狼をやっつけてハッピーエンドになるだろうけれど、読み手が子どもであっても容赦なく現実を突きつけてくるところにあまんきみこの強い意思を感じる。

世の中ってのは頑張った人が報われるとは限らないし、正義が負ける事もある。「読み手が子どもでも容赦しない」と言うのは日本の児童文学の素晴らしいところだと思う。

きつねは笑って死ねるほどに幸せだったのだ。

そしてきつねは結果として死んだものの、その生き様は一緒に暮らしていたひよこ、あひる、うさぎの中に刻まれただろう。

子ども向けの絵本だが子どもより大人の方がグッっとくる作品だと思う。

この作品を読みながら、きつねを誰かと重ねたり、ひよこを自分に重ねたりする人もいるだろうし、あるいはきつねの生き様に涙する人もいるだろう。

個人的には子どもにではなく、むしろ大人に読んでもらたいい1冊である。

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