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切腹考 伊藤比呂美 文藝春秋

私はWEB上で本の感想を書くようになって、けっこう長いのだけど地雷作家と言うか「感想が書き難い作家」がいる。

作家自身がどうのこうの…って訳ではなくて正しくは「面倒臭いファンががついている作家」って言った方が良いのかも知れない。江國香織、中山可穂、梨木香歩あたりは超地雷。

もう色々書いちゃってるので今さらだけど「手を付けなければ良かった」と思った時期がある。

例えば…ファンが多くても村上春樹や姫野カオルコあたりは散々な感想を書いたとしても「そんな考えもありだよねぇ」的に受け止めてもらえる事が多い。

しかし地雷作家の場合、否定的な感想を書こうものなら「どうしてそんな酷いこと言うんですか」とか、酷いのになると「感想取り下げろ」とか「謝れ」とか言ってくる人がいて、実に面倒臭いのだ。

前置きが長くなってしまったけれど、伊藤比呂美。完全に地雷作家。

実はいくつか作品を読んでいるけれど今まで1冊も感想を書いていないのは「地雷面倒臭いからなぁ」と放置していたから。

伊藤比呂美って女性作家の中でも江國香織、中山可穂と並んで信者が多い。『良いおっぱい悪いおっぱい』で一世を風靡しちゃって信者が急増。

女性の本好きの間では「伊藤比呂美を悪く言うなんてケシカラン」な風潮があって避けてきたのだけど、私も厚かましいオバサンになったのか「もういいかな」って心境になり書いてみることした。

私はずっと伊藤比呂美の信者に問いたいと思っていた。

「伊藤比呂美って、そんなに良い?」「女性の代表って感じ?」「作家としてはともかく女性として…って言うか母としてはアレな感じだけど、その辺はどう思ってるの?」と。

……なんて書くと喧嘩売ってるっぽいしアンチ伊藤比呂美って感じだけど、実はそうでもない。

「伊藤比呂美を悪く言う女性は頭オカシイ」みたいな息苦しさが嫌いなだけで作品自体は面白いと思っている。

少なくとも…この作品は面白かった。なんだか久しぶりに当たりのエッセイを読んだ。

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切腹考

かつて切腹のエロスに魅せられた詩人は鷗外に辿り着く。
侍たちの死生観をさぐりつつ語りなおす「阿部一族」。
日本語を解さぬ夫を看取りながらの「ぢいさんばあさん」。
離別、誕生、天災……無常の世を生きるための文学。

アマゾンより引用

感想

そもそも『切腹考』って題名がいいじゃないか。

表題作は特に面白かった。もうね…興味の無い人になっとっては、まったくどうでも良いような事を大真面目に取り組んでいて、そこが面白いのだ。

伊藤比呂美のエッセイの魅力は「人生を楽しんでます」って感じが滲み出ているところだと思う。

切腹にしても、手裏剣にしても、マーマイト(イギリスのジャムのような物らしい)にしても、伊藤比呂美の手にかかると「いいなぁ。私も興味出てきた」と思ってしまうから不思議だ。

あと、ちらりちらりと本好きの側面が見えるのも良い。

森鴎外だの夏目漱石だのについての話は「ああ。この人は本当に森鴎外が好きなんだなぁ」と感じた。森鴎外って若い頃にハマったっきり読んでいなかったのだけど、久しぶりに読みたいと思ってしまったほどだ。

ただ、時折のぞく傲慢な感じは好きになれなかった。

作家なんて傲慢で自己顕示欲の塊であってこそ…って事は承知しているのだけど、西村賢太のように「俺はクズですがそれが何か?」と開き直るでもなく、姫野カオルコのように自分をネタにしていくでもない。

伊藤比呂美はなにげに小狡い感じが滲み出ていて私のツボには合わないのだ。

天真爛漫そうに見えて、実はけっこう俗っぽい人だな…と思う。

私の好みはさておき。

伸び伸びと書かれた良いエッセイ集だと思う。切腹に興味のある方は是非、読んで戴きたいし、そうでない方が読んでも楽しい1冊だと思う。

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白い木蓮の花の下で
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