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何かと「ズルイ」って言葉を口にする人達。

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私の勤務する医療型児童発達支援センターでは現在、通園時が激減している。勤務先では母と子が一緒に通園する「親子通園」と言うスタイルなのだけど、時代の変化と共に親子通園が難しくなってきている。

サザエさんやちびまる子ちゃんの時代。「お母さん」は専業主婦が主流だった。なんだかんだ言って父1人のお給料で一家を支えることができたけれど、最近の若い子育て世帯は夫婦で働かないと生活が成り立たない…と言うケースが多く「毎日親子で療育に通う」ことが難しい現状がある。

さらに言うなら母親の妊娠・出産。家族の病気や兄弟の学校行事などもあり「療育が必要だけど療育を受けることができない」と言う状況が発生する。

そんな事態に対応するために「基本的には親子通園だけど、子どもだけでも療育をお受けすします」と言う制度がある。ここ数年の通園児の減少を受けて「じゃあ、ここは1つその制度を拡大して、子どもだけでも療育を受けることができる体制を作ろうじゃないか」って事になった。

…と。文章だけで書くと「それは良いことですよね。きっと保護者の方にも喜んでもらえるのでは?」みたいに思えそうなのだけど、蓋を明けてみるとそうでもなくて困惑している。

子どもだけで療育を受けるための定義を示したところ保護者から「平等じゃない。子どもだけで療育を受けられる子とそうでない子がいるなんてズルイ。自分だってシンドい思いをして障害児を育てているのに、楽できる人がいるなんてズルイ」って意見が噴出した。

……その言い分。分かる。障害児の育児は普通の育児よりも何倍も大変で、みなさんギリギリのところで頑張っているのは分ってる。でもだからって「ズルイ」にはならないと思うのだ。

例えば…だけど身近に頼れる祖父母がいて、祖父母が療育に来ているご家庭もあって、そういうご家庭の場合は制度を利用することができないのだけど「祖父母を頼れない人はズルイ」って話になってしまっている。

以前、生活保護のケースワーカーをしている親友のFと話をしていた時に、Fが「最近は自分以外の人が得をすることが許せない人が増えている。だから何かにつけてズルイとか言うんだよね」と言っていたことを思い出してしまった。

不正をしたり卑怯なことをして利益を得た人に大して「ズルイ」と言うのは理解出来るけど、不正も卑怯なこともしていない人に大して「ズルイ」って言うのは違うと思う。

今回の話に限ったことではないけれれど、何かと「ズルイ」って言葉を口にする人って人として品性が乏しいと言うか人格が卑しいように思ってしまう。

それにしても。「障害児の親」と一言で言っても一枚岩ではない訳で、互いに足を引っ張り合うようなことをしてしまうのが残念でならない。

支援する側の人間としては「1人でも多くの子に良い支援が行き渡って欲しい」と思っているだけなのに、些細なことを実現することさえ難しいなんて。味方が背中から撃ってくるような状況で良い方向に変えていくことは難しい。

「良かれ」と思ってすることであっても上手くはいかないだなんて難しい世の中だな…とつくづく思う。

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