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親子通園(親子療育)の過酷な現実。

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私の転職先である医療型児童発達支援支援センターは親子通園が原則となっている。

医療型児童発達支援センターってのは基本的に障害を持ったお子さんのための療育(訓練)施設。障害児の保育園、幼稚園みたいなイメージなのだけど、親子で通ってもらって親子で療育を受ける。

どうして親子で通うのか…と言うと理由は色々あるけれど、例えば…の話。

重度の障害を持ったお子さんの場合、そもそも「食べることが大変」ってことが多々ある。噛むことが難しかったり、嚥下が難しかったったり。「どうやって子どもに食べさせると良いのか?」ってところを保護者の方も学んでいただく。

それ以外にも一緒に体操をしたり、歌を歌ったり…なんて時間も設けられている。

親子のスキンシップも大切だし、対応が難しいお子さん(パニックを起こしたり癇癪を起こしたり)に対して「どう対応すると良いのか?」ってことを保護者の方に学んで戴く…って面もある。

お子さん視点だけで言うなら親子通園(親子療育)は控え目に言って最&高。心熱きスタッフの元、保護者に見守られつつお子さんが成長していける環境は理想と言えば理想。

だとげ、これはあくまでもお子さん視点での話。

親子通園(親子療育)における保護者の心身の負担は半端ないものがある。

  • 毎日付き添うのは時間(仕事や家事)がしんどい。
  • どちらかの親が付き添うことで共働きができない。
  • 保護者控室(母子分離の時間もある)が地獄。
  • 子の障害を受け入れられないのに周囲から色々言われるの辛い。
  • 他人の子と発達を較べてしまってキツイ。

どれもこれも「分かります…分かり過ぎます」って話だ。

例えば…の話だけど。私はパート勤務なので拘束時間には時給が発生する。だけど親子通園に付き添う保護者の方は「子ども付き添っている」ってだけで、他人から評価される訳でもなければ賃金が発生する訳でもない。

そして保護者同志の関係もキツイ。

ちょっと想像してみて欲しい。特に気が合う訳でもないのに毎日同じ人と同じ部屋で数時間過ごさなけれぱならない状況を。コミュニケーション強者なら大丈夫かも知れないけれど、そうじゃなければ地獄オブ地獄。

「他人の子と較べちゃってキツイ」って話もほんとそれ。障害の診断名が同じでも、知的・身体の障害の状況によって発達の具合はまったく違う。そして医療型児童発達支援センターを卒業した後の進路もまったく違う。

「みんな違ってみんないい」と言うのは建前でしかなくて、人間って生き物はどうしても較べたくなってしまうのだ。

……で。その結果。メンタルを病んでしまう方が出てきてしまう。

「もう辞めたい」って話はあるあるだし「大っぴらには言わないけれどギリギリで頑張っていて辞めたがっている」と言う保護者の方の多さたるや!

……この問題は私が学生時代とちっとも変わっていない。当時の私は「なんで子どものために頑張れないの?」って思っていたけれど、子育てを経験した今はむしろ保護者の気持になってしまう。

…分かります。そりゃ辛いっすね。お母さん、十分頑張ってますよ。てか、医療型児童発達支援センターの親子通園に来るってだけで表彰物のお母さんですよ…って思ってる。

1人の人間としては親子通園(親子療育)について色々と思うところがあるけれど、そっちに引っ張られていたら保育士の仕事を続けていけない。

今の職場はお子さんにとっては素晴らしい施設だと思う反面「福祉」の視点で見るなら「これって、どうなんだろうな?」と思うとこがあるけれど、まずは一人前に仕事ができるようになることを当面の目標としたい。

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