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そして誰もゆとらなくなった  朝井リョウ 文藝春秋

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『そして誰もゆとらなくなった 』は『風と共にゆとりぬ』の続編にあたるエッセイで「ゆとりシリーズ」の完結編。

私は『風と共にゆとりぬ』を読んだ時に「もう朝井リョウのエッセイは読まない」と決意していたのに、どうして手を付けてしまったのかと言うと、AmazonAudibleのラインナップに入ってたから。そして、それ以上に『風と共にゆとりぬ』を読んだこと自体忘れてしまっていたのだ。「三部作って言うけどエッセイだったら前の2冊を読んでいなくても大丈夫に違いない」と。

結論から先に書くけれど、私も歳を重ねて大人になったせいか前作より楽しむことができた。

なんと言うか。「なるほど~イマドキの若者ってこんな感じなんだぁ~」くらいのノリで、親戚の子どもの話を聞くような温かい気持ちで作品と向き合うことができた。ただし面白いかったかと問われたらちょっと微妙ではある。

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そして誰もゆとらなくなった

ザックリとこんな感じの作品
  • 『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』に続く第部作の完結編。
  • ダンスのこと、海外旅行のこと、そして痔疾と腹痛のこと。
  • 朝井リョウが描く日々の生活譚。

感想

朝井リョウの「ゆとりシリーズ」の原点は「さくらももこさんのエッセイのような本を出したかった」という作者の憧れからスタートしているとのこと。確かに軽いノリの笑える作品なので、さくらももこのエッセイと方向性は近い気がする。

どのエピソードも誰かとお喋りをするような感じで「ねぇねぇ。ちょっと聞いてくださいよ。先日、こんな面白いことがあったんですよね」みたいな雰囲気で進んでいく。ただその「こんな面白いことがあった」の面白さを楽しむことが出来るかどうかは人それぞれだと思う。

どのエピソードも安定したクオリティだったけれど、ネタがかぶりまくっているのには辟易した。作者の排泄に関するエピソードは1つめのエピソードではそれなりに楽しむ…と言うか共感することが出来たものの、後の方で登場するエピソードについては「はいはい。どうせまたトイレに困る話でしょ?」と先が読めてしまうのだ。それもこれも作家、朝井リョウのファンなら許容できると思うのだけど一般の読者からするとツマラナイ事この上なかった。

面白い、面白くない…で判断すると「それほど面白くなかった」としか言えない作品だったのだけど、私も歳を重ねて娘も高校生になったことで親目線と言う意味なら楽しむことができた。「若いっていいなぁ」とかそんな感じ。

好き嫌いはさておき。朝井リョウは今後も作家として活躍してくれる人だと思うので、ゆるく追ってきいたいと思う。

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