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救いの森 小林由香 角川春樹事務所

小林由香は初挑戦の作家さん。ジャンルとしてはミステリになるのだろうか? 殺人系ではなくて児童虐待がテーマだと言うとので読んでみるとこにした。

軽く近未来設定にしてあったのが上手いと思った。リアルタイムで起こりうる事件をテーマにした場合、リアルだと「モデルになって事件があったんじゃないか?」と思ってしまうし、リアルさが薄いと「こんな話は嘘っぱちだ」と思ってしまう。

ほんの少し現実世界と違う設定を入れることで、作品の世界にスムーズに入る事が出来た。

物語の設定はこんんな感じ。

舞台は近未来日本。児童保護救済法が成立。義務教育期間の子どもに「ライフバンド」着用が義務づけられた。

ライフバドとは子どもが虐待やいじめ、誘拐など命の危険を感じた時に起動させると、児童虐待救命士が駆けつけるシステム。

主人公は新人の児童救命士の長谷川。一話完結方式で長谷川が様々な子どもたちと向き合っていく姿を描いている。

読んでいて感心したのは「作者の小林由香は児童虐待についてよく勉強しているんだな」ってこと。一応ミステリ枠に入る作品だと思うのだけど「意外な展開」っていうのはあまりない。

読者がオチを想像出来る話が多いのは新人児童救命士の長谷川を応援するような形で読ませるスタイルなのだと思う。かつて昭和の子ども達が『八時だよ全員集合』を観ながら「志村、後ろ~」と叫んだあの感覚。作品を読みながら「長谷川違う~。そこじゃない~」と心の中で叫んでしまった。

どの話も良く出来ていて面白かったし、時代を捉えた作品だと思う。あえて難癖をつけるなら「無難にまとまり過ぎている」ってところだと思う。面白いと言えば面白いし、よく練られているのだけれど、読後感は良くもなく悪くもなく。上手に書かれた作品だけど、圧倒的にパンチが足りない。

残酷な世界を突き詰めていく系なのか、それともヒューマンドラマにしたかったのか、その辺の立ち位置が中途半端になってしまったのが原因だと思う。

ほんのり残念さはあったのだけど、小林由香の作品は今後も注目していきたいと思う。

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救いの森 小林由香 角川春樹事務所

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