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信仰 村田沙耶香 文藝春秋

『信仰』は村田沙耶香の初期の作品を思わせるような短編小説が多めの短編集。小説だけでなくエッセイも収録されている。

はじめて読んだ『タダイマトビラ』や設定の奇抜さに度肝を抜かれた『殺人出産』の雰囲気があって「村田沙耶香らしい短編集だなぁ」と思わせてくれた。

全体的に悪くなかったのだけど、短編小説にしても短めでショートショート以上短編小説以下…って感じ。ブラックな要素が入ってショートショートともSFとも取れる短編集だった。

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信仰

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ザックリとこんな内容
  • 表題作を含む8編が収録された短編集。(エッセイ含む)
  • 表題作『信仰』はカルト商法をはじめようとする若者達の物語。
  • 「子ども」「生殖」と言った村田沙耶香がずっと追ってきたテーマが多め。

感想

前回『丸の内魔法少女ミラクリーナ』を読んだ時にも「短編が悪いとは言わないけけど、長編小説が読みたい」と書いた気がするのだけど今回の『信仰』についても、まったく同じことを思ってしまった。

全体的に見るとSF要素が前に出た作品が多いせいか「なんか星新一っぽいなぁ」と重っしまった。これは私の偏見でしかないのだけど「○○っぽい」って感じてしまう時点で作品としての強さが無い気がする。

『信仰』に収録されている作品がツマラナイとか駄目だとか言うつもりはない。そこそこレベルでは面白いのだけど圧倒的なパワーが足りないのだ。「ああ、いつもの村田沙耶香ね」とか「なんか星新一っぽいよね」くらいのもので新しい発見とかトキメキが無かった。

巷の評判を見ていると表題作の『信仰』は高評価を得ているみたいだけど、カルトとか新興宗教を描いた作品なんて今までも掃いて捨てるほどあったし、そこそこ面白い作品も多い。それらの作品の中に突っ込んでなお「面白い!」と思わせるものがあるか…と言うと正直微妙だ。

ただし「普段小説を読まない人に本を読んでもらう」って意味では価値のある短編集なのかも知れない。5分~10分でパパッっと読めて、ちゃんと起承転結があって、ちゃんと面白いのだ。

だけど、この路線が続くなら村田沙耶香はもういいかな…って思ってしまっている自分がいる。少なくとも村田沙耶香との蜜月機関は終わってしまったのだと思う。

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白い木蓮の花の下で
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