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変半身 村田沙耶香 筑摩書房

前回読んだ『生命式』からそれほど時間が経っていないのに早くも新作が出ていて驚いた。

『生命式』が良かったので、期待して手に取ったのだけど、なんだかこう…コレジャナイ感半端ない。

表題作の『変半身』がどうしようもないほど私には合わなかった。

村田沙耶香は私にとって推し作家ではあるけれど、村田沙耶香の作品なら何でも好き…って訳じゃない。

今回は酷いことを書くので、村田沙耶香が大好きな方は読まにない方が良いかもです。

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変半身

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筑摩書房
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ザックリとこんな内容
  • 表題作『変半身』と『満潮』の2作を収録。
  • 『変半身』は劇作家、松井周が原案。小説と舞台作品で発表された。
  • 『変半身』は孤島、千久世島の秘祭「ポーポー祭」にまつわる物語。
  • 『満潮』は近未来設定で「潮を吹く」ことを目標にしている夫婦の物語。

感想

表題作の『変半身』は劇作家、松井周との共作で原案は松井周とのこと。

それだけに、今までの村田沙耶香の路線から随分外れてしまっている。私は共作が悪いとは思っていないけれど、今回の試みは村田沙耶香側にメリットはあったのだろうか?

『変半身』は孤島、千久世島の秘祭「ポーポー祭」にまつわる物語。

「ポーポー祭」とは『モグリ』と呼ばれる生贄になった人間を、祭りの参加者達でリンチにかけ、モグリが息絶えたら乱交する…と言う、いかにも村田沙耶香が好きそうなテーマではあった。

  • ポーポー祭りの真実とは?
  • 祭りを考えた人間は誰なのか?

物語は主人公が中学生の頃。最初はドキドキして読んだのだけど、物語が進むにつれ話が二転三転していく。

劇作家が原案だから仕方がないとは思うのだけど、安っぽい小劇団にありがちな作品に仕上がっていた。展開が雑だし、解釈が安っぽい。

せっかくの孤島設定が活かしきれておらず「突拍子もないことを寄せ鍋にしてみました」的な感じが居たたまれなかった。

舞台作品の方は面白かったのかも知れないけれど、小説として読むには安っぽ過ぎる。

芥川賞を受賞して人気者になったら色々あるのだろうとは思うのだけど、村田沙耶香を推してきた人間からすると「もう少し仕事を選んだ方が良いのでは?」みたいな気持ちになってしまった。

同時収録されていた『満潮』については、いつもの村田沙耶香って感じで、ほどほどに良かった。『満潮』については『変半身』だけでは単行本が出せないので、ページ数合わせで収録されたのかも。

『満潮』はセックスの概念が現代とは異なる近未来設定の物語で、こちらも村田沙耶香の定番ネタ。男も女も「潮を吹く」ことが出来る…と言う設定。短編ってことで、人物の掘り下げは少なめだっ分、私はイマイチ楽しめなかった。

セックスに対する概念については安定の村田沙耶香ワールドが楽しめるものの「えっ? これで終わりですか?」みたいな、投げっぱなしな感じで終わってしまっている。

村田沙耶香の作品を読んで「箸にも棒にもかからないほど面白くない」と思ったのは初めてかも知れない。

『変半身』は村田沙耶香の名前で発表しているものの、共作なのでいつもと同じ…って訳にはいかなかった……って事は理解している。

『変半身』の事は一旦忘れて、村田沙耶香の次の作品に期待したい。

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白い木蓮の花の下で
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