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鵜頭川村事件 櫛木理宇 文藝春秋

表紙に惹かれて図書館で表紙借り。

表紙から松本清張的オドロオドロシイ雰囲気が漂っていて「これは借りなければなりまん!」と言う使命感に駆られてしまった。

ジャンル的にはミステリになると思う。

物語の舞台は1979年。題名の通り、鵜頭川村と言う東北の村で起こった事件をテーマにしたパニックサスペンス。

この作品、読んだタイミングが神懸っていた。私はそこそこ怖かったのだけど、冷静に考えてみれば物語的な怖さはそれほどでもない気がする。

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鵜頭川村事件

一九七九年、夏。亡き妻・節子の田舎である鵜頭川村へ、三年ぶりに墓参りにやってきた岩森明と娘の愛子。

突如、山間の村は豪雨に見舞われ、一人の若者の死体が発見される。

村の有力者・矢萩吉郎の息子で問題児の大助が犯人だと若者たちは息巻くが、矢萩家に誰も反抗できず、事件はうやむやとなる。

抱えていた家同士の対立が顕在化し出し、若者たちは自警団を結成する。動き始めた狂気がさらなる狂気を生み、村は騒乱に巻き込まれていく――

アマゾンより引用

感想

大雨で道路を寸断され、孤立した鵜頭川村で起こった事件がテーマになっているのだけれど、私が『鵜頭川村事件』を読んだのは私の住む大阪は台風21号の被害を受けた直後だった。

台風の後も長雨が続いた上に北海道の震災。日に日にスーパーの棚が品薄になっているのを体感した上で読んだので「長雨で孤立する恐怖」がリアルに感じられた。

私自身は大阪育ちで田舎独特の閉塞感を経験した事がない。

しかし和歌山の山奥にある義母の実家は横溝正史の世界そのままの佇まいで義母は未だに田舎の価値観で生きていて「田舎で生活するって大変なんだろうな…」と言うことは想像出来る。

主人公は事件の起こった村で育った人間ではなく、6歳になる一人娘と妻の墓参りに来て事件に巻き込まれる。大雨による土砂崩れため道路が寸断された村で殺人事件が起こる。村の孤立は長雨のため、長期化。「殺人者と一緒に閉じ込められている」と言う状態の中で物語が進んでいく。

個人的には殺人事件の怖さよりも、村社会の閉塞感の方が心に響いた。

男尊女卑や家同士の争い。「あれじゃあ、若者が都会に行きたがるのも無理はないな」と。そんな中、ラスト近くで女達が夫に反抗して家を出るくだりは痛快だった。

母親になった女は子どもを生かすためなら、なんだって出来るのだな…と。また、主人公が一人娘を守ろうと奮戦するところも良かった。人間は親になったとたん強くなる生き物なのだ。

実のところ犯人探し自体は面白くない。

ミステリ好きじゃなくても、人物関係が理解出来た時点で「あ。コイツが犯人だな」と分かってしまう。

ただ「孤立した村」で起こるパニックサスペンスとしてはそこそこ面白いと思う。出来ることなら長雨が続いている時か、台風の日にでも読んで戴きたい。

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白い木蓮の花の下で
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