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刑罰0号 西條奈加 徳間書店

題名になっている刑罰0号とは死刑に代わる制度として考案されたシステム。

被害者の最期の記憶を取り出して、加害者へ移植する事で加害者への贖罪を促す…と言うもの。

このテの発想はたぶん他にもあったと思う。筒井康隆だったっけか?

SFかホラーの短編でありがちなネタで「どこかで読んだことあったっけ?」と言う気持ちになってしまった。

残酷な犯罪が増える昨今、誰もが死刑制度とか犯罪者への処遇について考えた事があると思うので、永遠のテーマと言えなくもないのかな…と思う。

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刑罰0号

罪を犯した者に、被害者が体験した記憶を追体験させることができる機械、「0号」。死刑に代わるシステムとして開発されるが、被験者たち自身の精神状態が影響して、なかなか成果が上がらない。その最中、開発者、佐田博士が私的な目的で使ったために研究所から放逐される事態に。研究は、部下の江波はるかが密かに引き継ぐことになったが……。

アマゾンより引用

感想

正直、感想が書き辛い。

とても面白くてイッキ読みしたのだけれど、倫理的なところも物語の主題についてもイマイチグッっとこなかった。言うなれば色々な要素を詰め見込み過ぎなのだと思う。

どれもこもれもが薄味に仕上がっていてなんか残念なのだ。

例えば「人の脳や記憶を改変する倫理的な問題」とか「犯罪者に心から償ってもらう方法」とか「人が人を裁いていいのか」とか「戦争が終わらない世界情勢」とか「広島の原爆と核の問題」とか。

どれもこれも大切な事ではあるけれど、1つの話にこれだけ突っ込んでしまうと、どれが1番言いたかったのかがボヤけてしまった気がする。

1つの物語にこれだけの要素を突っ込んだら、まとらないまま空中分解しそうなものだけど、強引にまとめているところは凄いと思う。

話がどんどん転がっていくのでイッキ読み出来たし面白かった。

それだけに「結局、この物語は何だったのか?」と考えた時に、イマイチ掴みどころがないのが残念でならない。

……とは言うものの「世の中の人達が興味ありそうな物を目一杯突っ込んでみました」と言う心意気は良いと思う。好意的に解釈すると「どう感じるかは読者にお任せします」と言えなくもない。

だけど欲を言うなら、もう少しテーマを絞って書いて欲しかった。その方がずっと読む人の心に残ると思う。

この作品だとアイデア賞とか、頑張ったで賞の域を出ない気がするのだ。

西條奈加は初挑戦の作家さんだけど、これだけの作品が書けるって事は力のある作家さんだと思うので、次回作も是非読んでみたいと思う。

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白い木蓮の花の下で
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