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男役 中山可穂 角川書店

中山可穂と言うと「なかなか新作を書いてくれない作家さん」と言うイメージが強い。

何年も新作が出なくてヤキモキさせられてばかりだったので、前回の『愛の国』からあまり間を空けずに新作が出ていて吃驚した。

新作が出ていた事を知らず、ネットで情報を知った時は「ええっ!もう出るの!」と思わず声をあげてしまった。

しかも今回のテーマは宝塚歌劇団!

これは猫に小判。「いかにも」な世界が展開される事は想像に難くなく、ワクワクしながら手に取った。

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男役

トップになって二日目に舞台事故で亡くなった50年前の伝説の男役スター・扇乙矢。以後、大劇場の奈落に棲みつく宝塚の守護神ファントムさんとして語り継がれてきた。

大劇場では月組トップスター如月すみれのサヨナラ公演の幕が開き、その新人公演の主役に大抜擢された永遠ひかるの前にあらわれた奇跡とは―。

アマゾンより引用

感想

私が中山可穂の作品で最も好きなのはなんと言っても『猫背の王子』だ。私自身、舞台を観るのが大好きなので、王寺ミチルの世界にどっぷり浸かってしまった。

そして今回は宝塚歌劇団。『清く正しく美しく』の宝塚歌劇団をテーマに持ってくるとは、勇気があるというかなんと言うか。

あとがきで「地雷を踏んでしまう恐れがある」と書かれていたけれど、大丈夫だったのだろうか?

最近、同性愛者だとカミングアウトしてタカラジェンヌがいるようだけど、一応「そんな事実はありません!(キリッ!)」と言うスタンスだと思うので、これまた凄いところに手を付けたな……と。

しかも「舞台で起こった不幸な事故」は宝塚の舞台でかつて実際に起こった事故を彷彿とさせるところが、どにうもこうにも。「この物語はフィクションです。作品の中で起こった事故も登場するタカラジェンヌにもモデルはありません」となっているけれど、宝塚ファンなら「おおっ」となってしまうと思う。

そして肝心の内容だけど安定の面白さだった。

この作品は恋愛度薄め。どちらかと言うと「役者と乞食は3日やったら辞められない」的な、舞台の魅力をメインにしているようだった。もちろん、そこは中山可穂の中山可穂たるところで、行きつくところは恋愛なのだけど。

現代の主人公チームの話がメインだし、宝塚に取り憑かれた女性達の熱さは面白かったけれど、個人的にグッっときたのは「宝塚のファントム」とチャメとのエピソードだ。

今回は宝塚歌劇団に配慮してか、何かと描写が控えめだったのだけど、そこがかえってそそられた。

中山可穂は「報われない恋」書いてこその人だと確信した。

個人的には「恋」から「愛」に昇華した世界を読んでみたいのだけど、中山可穂の場合は「恋」にとどまっている作品の方が断然面白いし盛り上がる。

ファントムとチャメのラストは、中山可穂作品お約束の展開だったけれど、まんまと騙されてグッっときた。

この作品を一言で説明するなら、やしきたかじんの歌ではないが「やっぱ好きやねん」に尽きる。

実はこの作品、私の中に迷いがあって買わずに図書館で借りたのだけど、やっぱり買って手元に置こうと思う。

是非、このペースで次回作も読ませていただきたい。

なんだかんだ言いながらも私は一生、中山可穂についていくのだろうなぁ……と思った。

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白い木蓮の花の下で
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