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白い薔薇の淵まで 中山可穂 集英社

「感想を書いて欲しい」とのリクエストを戴いたので数年ぶりに再読してみた。

私は個人的に中山可穂の作品を4つに分類している。

  1. 不倫系
  2. ドラマチック系
  3. 理不尽不幸系
  4. 添い遂げる(あるいは添い遂げようとする)系。

この作品は2と3の中間ってところだろう。

ちなみに私が好きなのは4のパターン。苦手なのは1。

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白い薔薇の淵まで

ジャン・ジュネの再来とまで呼ばれる新人女性作家・塁と、平凡なOLの「わたし」はある雨の夜、書店で出会い、恋に落ちた。

彼女との甘美で破滅的な性愛に溺れていく「わたし」。幾度も修羅場を繰り返し、別れてはまた求め合う二人だったが……。

すべてを賭けた極限の愛の行き着く果ては?

アマゾンより引用

感想

『白い薔薇の淵まで』はドラマチックでもあり、理不尽でもある作品だと思う。

主人公が恋するのは、中山可穂が得意とする「ものすごく魅力的で、心に傷を抱えていて、とらえどころのない美しい人」だ。

改めて読んで思うのだけど、中山可穂はやっぱり「恋」を描くのが圧倒的に上手い。ハマる。「こりゃ惚れるわ」と思ってしまう。

人物の作り方といい、シチュエーションといい「恋はするものではなく落ちるもの」を地で行く感じ。

……とは言うものの、再読してみると、理不尽と言うか、やるせなさが気になって「ものすごくハマる」とか「大好き」とは思えなくなっていた。

この作品の中のカップルはレズビアンではあるけれど、恋愛のパターン的には男女でもよくある話。

最初は片方が振り回されていて、ものすごく恋人に尽くすのだけど、途中から立場が逆転する……ってパターン。

少し離れて見ると、主人公達は2人も自分本位なのだ。

「恋ってそんなものだから仕方ないじゃない」と言われてしまえば、それまでなのだけど。「恋」にとどまり、愛に至らないってあたりが物足りない。

相手を激しく恋しているには違いないのだけれど、なんと言うのかなぁ……幸せを掴もうとする意志が足りないような。

もちろん、初めて読んだ時は興奮したし、面白いと思った。実際、再読しても面白いとは思う。

でも、やるせなくてならないのだ。無理なお願いかも知れないけれど、中山可穂の描く恋人達が長い年月を連れ添って、添い遂げていくような物語が読んでみたい。

そう言えば、中山可穂は長く小説から離れているようだけど、どうしておられるのだろう? 新作を読む日を気長に待ちたい。

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白い木蓮の花の下で
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