読んだ本の『50音別作家一覧』はこちらから>>

李王家の縁談 林真理子 文藝春秋

記事内に広告が含まれています。

『李王家の縁談』は読んだ…のではなく、Amazonオーディブルで耳から聞いた。

林真理子が書く皇室浪漫作品は『天鵞絨物語』とか『ミカドの淑女』で読んでいたので「これは絶対に私の好みだ」と思って図書館に予約していたけれど、図書館の予約が回ってくるよりもAmazonオーディブルの方が早かったのだ。

「林真理子って下品で嫌い」って言う人がちらほらいるし、それについて分かるのだけど、その実力は本物だと思う。

好き嫌いはさておき。林真理子がパワフルな作家であることは間違いないし『李王家の縁談』もなかなか面白かった。

スポンサーリンク

李王家の縁談

ザックリとこんな内容
  • 梨本宮伊都子を中心とした皇族達の結婚記録。
  • 梨本宮伊都子は娘の方子女王を皇太子妃にと思っていたが、皇太子妃に選ばれることはなかったため、朝鮮李王朝最後の皇太子、李垠に嫁がせることを思いつく。
  • 「日本と朝鮮を結びつける結婚」として、方子女王と李垠は結婚。その後も伊都子は娘や自分が関わった年下の女性達の「結婚」を取り計らったり、後押ししていくのだが……

感想

『李王家の縁談』を読んだ感想は「林真理子は凄いな」ってことに尽きる。

なかなかボリュームのある出来事を1つの作品に無難にまとめているのも凄いけど、何より時代に乗っかっていく感じが凄い。世間が「皇室の結婚」と言う現代では眞子さまと小室さんへの批判に傾いている時期に皇族の結婚をガッツリ重ねてくるあたり、目ざといと言うか下衆いと言うか。

ヒロイン伊都子に「皇族の結婚は日本のため」と断言させて、批判を匂わせつつゴシップ小説を作り上げるとは恐れ入った。しかも、まあまあ面白いから悔しい。

現代の考え方からすると、伊都子の結婚感は皇室云々を抜きにして受け入れ難いものだけど「そういう時代だった」と思って読んで戴きたい。

『李王家の縁談』に登場した結婚は順風満帆な結婚だけではなかったけれど、それでも女達は懸命に生きていて、その強さは素敵だな…と思った。「置かれた場所で咲きなさい」ではないけれど、人間はその時々に合わせて生きていかなければならいし、どんな場所であったとしても生きていくしたたかさは必要だと思う。

私は近代日本史について無学な人間なので、読み終えた後に登場人物達の「その後」について調べてみたりして「本を読むことによって広がる世界」を実感した。

それにしてもアレですよ。自由恋愛して自由に結婚出来る世界は素晴らしいな!

そして林真理子。なんだかんだ言って凄い作家さんだな…と改めて思った。

林真理子の他の作品の感想も読んでみる

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました