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映画『ベスト・オブ・メン〜人間の最高〜』感想。

『ベスト・オブ・メン〜人間の最高〜』は2012年に公開されたイギリス映画。1948年に誕生したパラリンピックの礎を築いたドイツ人医師が主人公の物語。

アマゾンプライムで無料公開されていたので、なんとなく視聴したのだけれど、予想外に良かった。全く知らない作品で、公開当時、さほど話題になっていなかったのが不思議に思う。(もしかしたら話題になっていたのかも知れないけれど)

どうせなら、東京でオリンピック&パラリンピックが開催される前に観たかった。

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ベスト・オブ・メン〜人間の最高〜

ベスト・オブ・メン〜人間の最高〜
Best of Men
監督ティム・ウィットビー
脚本ルーシー・ギャノン
出演者ジョージ・マッケイ
ビービー・サンダーズ
エディ・マーサン
ロブ・ブライドン
ニーヴ・キューザック
リチャード・マッケーブ
公開 2012年8月16日

ざっくりとこんな内容

物語の舞台は第二次大戦末期。ユダヤ人医師のグットマンはドイツからイギリスへと亡命。ロンドンのストーク・マンデヒル国立脊髄損傷センターで働くことになった。

ストーク・マンデヒル国立脊髄損傷センターに搬送される患者達は重症者が多く、酷い患者になると担架ではなく棺桶に入れられて運ばれてくることもあった。また患者達はギプス等をほどこされて安静状態に保つことを第一とされていた。

グットマンは患者の回復を信じ、将来的に患者が可能な限り自力で活動出来ることを目標とするが、衰退を管理することに慣れている病院の看護師や医師と衝突することになる。

最初の頃はスタッフからも患者からも受け入れられなかったグッドマンだったが、少しずつスタッフ達の信頼を得られるようになっていった。

そんな中、グッドマンは患者達の生きる意欲を取り戻す方法として競争力のある運動とスポーツに取り組んでいく。

患者達はグッドマンのアイデアで患者は車椅子に乗ってホッケーとバスケットボールに取り組むようになり「社会復帰したい」と言う意欲を持つようになる。

グットマンは、病院の敷地内で全国的な障害者スポーツ競技会、最初のストークマンデビルゲームを開催。この大会がパラリンピックの基礎となっていく。

健康な人間が障がい者になる残酷さ

『ベスト・オブ・メン〜人間の最高〜』に登場する患者達は戦争で身体の自由を奪われた兵士達。それまで普通に生活できていた人間がある日突然、障がい者になってしまう苦悩はたまらないものがある。

障がい者や高齢者の問題に直面する時、元気な人間はつい「自分には関係ないこと」として受け止めてしまいがちだけど、それって、どれほど傲慢なことか。

『ベスト・オブ・メン〜人間の最高〜』の兵士達のように戦争で傷ついてしまう人だけでなく、現代社会においても事故や病気がキッカケで障がい者になる可能性は誰にだってあるのだ。

兵士達が生きる希望を失ってしまうのは無理もないことだと思う。

若い患者の親が「我が子の終の棲家を見つけたので、そこへ連れていく」と言って、老人ホームへ子どもを入れようとするエピソードがあるのだけど、一緒に観ていた夫が「おい。ここでも老人ホームだぞ」と妙に関心していた。

先日視聴した『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』では老人施設で暮らすダウン症の青年が登場したけれど、障がい者の受け入れ先として老人施設が選ばれるのは決して珍しいことではない。

「昔の話だから仕方がないね」と思われる方も多いだろうけど、私が働いている障がい児の施設でも支援学校を卒業後に老人施設へ入所する子がいる。

現障がい者を取り巻く環境は現代も決して良いとは言い難い。

スポーツに希望を見出していく

主人公のグッドマンは車椅子に乗ってスポーツをすることを進めていく。患者達は最初の頃は乗り気ではなかったのだけど、グッドマン自身がスポーツに取り組んでいる姿を見て「なんか楽しそうじゃないか」と、車椅子スポーツにのめり込むようになっていく。

スポーツは患者達にとってリハビリにもなるけれど、何より「生きる希望」になっていった。人間には「楽しいと思って取り組めること」が必要なのだと思う。

ちなみに…スポーツ大嫌いな私からすると「私が同じ状況になったとしても車椅子バスケとか無理だわ…」みたいな気持ちになってしまった。

ただ、もともとスポーツが好きな人からすると最高のリハビリ&娯楽になると思う。

そしてパラリンピックへ…

グッドマンは兵士達のスポーツを1歩前に進めることにする。病院の中でだけ行うのではなく、全国からチームを集めて大会を行ったのだ。これが後のパラリンピックに発展していく訳だけど、パラリンピックの基礎となる。

パラリンピックが第二次世界大戦の副産物だったとは知らなかった!

今までパラリンピックは「障がい者の人権とか、そういうところから生まれたのかな…」くらいに思っていたけれど、戦争で負傷した兵士達の社会復帰活動がキッカケだったはとは。

それにしても1人の医師がここまでの流れを作った…ってことに驚いたし「なんて素晴らしい人なんだろう」と感心した。もしかするとグッドマン自身もユダヤ人で亡命してきたところから、色々思うところがあったのかも知れないな…とかとか。

『ベスト・オブ・メン〜人間の最高〜』は日本では知名度が低くて日本語版のウィキペディアページさえ無い状態だけど、もっと多くの人に観て戴きたい作品だと思った。

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白い木蓮の花の下で
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