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映画『フォレスト・ガンプ 一期一会』感想。

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『フォレスト・ガンプ 一期一会』は1994年に公開されたトム・ハンクス主演のヒット作。公開当時に劇場まで観に行った記憶がある。

夫が観ていないと言うのでDVDを借りて夫婦で鑑賞してみた。

トム・ハンクス演じる「フォレスト・ガンプ」の視点からアメリカ近代史を追う作品。上映時間は142分と言う長めの設定だけど、物語がハイスピードで進んでいくので退屈せず最後まで観る事が出来る。

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フォレスト・ガンプ 一期一会

フォレスト・ガンプ/一期一会
Forrest Gump
監督 ロバート・ゼメキス
脚本 エリック・ロス
原作 ウィンストン・グルーム
製作 ウェンディ・フィネルマン
スティーヴ・ティッシュ
スティーヴ・スターキー
出演者 トム・ハンクス
サリー・フィールド
ロビン・ライト
ゲイリー・シニーズ
ミケルティ・ウィリアムソン
音楽 アラン・シルヴェストリ

あらすじ

空中を漂う一本の白い鳥の羽がフォレストの足下に舞い降りるシーンから始まる。

バス停のベンチに座るフォレストが、一人称でバスを待つ人々に話しかけることで物語が進んでいく。

主人公フォレスト・ガンプは普通の子供よりも知能指数の低い少年で、背骨が歪んでいるため脚装具を付けないとまともに歩けなかった。母親はそんな彼を、普通の子供と同じように育てたいと考え、フォレストを公立小学校に入学させる。

スクールバスに乗る事となったフォレストだが、バスの中では誰もフォレストを隣に座らせなかったが、ジェニーという女の子だけはフォレストのために隣の席を空け、2人の間に友情が芽生える。

小学校でいじめの標的にされるフォレストだが、あるとき無我夢中で逃げているうちに走れるようになり、以後彼は脚装具を付けなくても歩けるようになり、むしろ自転車でも追いつけないほどの俊足を発揮し続けた。

ある日、父親に怒鳴られるジェニーを見たフォレストは、その手を握って畑の中を逃げ回る。翌日、彼女の父親が性的虐待を行っていたことが発覚し、父親は警察に捕まり、ジェニーは親戚へ引き取られた。

フォレストは俊足を評価され、アラバマ大学へ入学しフットボールチームに入り、全米代表選手に選ばれるまでになる。

ベトナム戦争が始まった頃、無事に大学を卒業したフォレストは、特にする事も無かったのでスカウトを受け入れアメリカ陸軍に入隊した。

軍隊でフォレストはアフリカ系アメリカ人であるとベンジャミン・ブルー(バッバ)と親しくになる。バッバの家族は代々エビ漁とエビ料理で生計を立てていて、自身も軍隊生活で得た資金でエビ漁師になる夢を持っていた。フォレストはバッバと2人でエビ漁をしようと約束する。

命令された事だけをこなせば良い軍隊の生活はフォレストに向いており、優秀な兵士となる。

訓練後、ベトナムに出征する事となったフォレストは、落ちぶれてストリップ劇場で働いていたジェニーと再会するが、ジェニーとフォレストの道はふたたび別れてしまう。

フォレストの所属するダン・テイラー中尉が指揮する小隊は雨季が明けた日に敵の待ち伏せで窮地に追い込まれてしまう。

フォレストは負傷した戦友達を探し出し安全な場所へと運び出すも、既に致命傷を負っていたバッバは「うちに帰りたい」と言い残して死んでしまった。

最後の戦いで負傷したフォレストは、両脚を失ったダン中尉と共に軍病院で手当てを受ける。

療養中の暇潰しに卓球を始めたフォレストは、瞬く間に才能を発揮。卓球全米チームに入る。

フォレストはブラックパンサー党の仲間として反戦活動を行うジェニーに再会。フォレストはジェニーに自分の想いを伝えるが、相反する立場のジェニーはフォレストの前から去っていった。

フォレストは「ピンポン外交」の主役となり、卓球で世界大会に出場するが、軍を除隊となる。

除隊後、フォレストは卓球で得た資金で漁船を買い「バッバ・ガンプ・シュリンプ」を設立。亡き親友バッバとの「除隊後は2人でシュリンプボートに乗ってエビ漁を始めよう」という約束を叶える。

会社設立後しばらくしてダンも加わるがエビ漁はまったくうまく行かない。ある夜、ハリケーンが発生。港に留まっていた他のエビ漁船はすべて大破するが、沖へ出ていたフォレスト達の漁船だけは運良く無事戻って来られた。

以後は大漁が続き、人生に絶望していたダンも希望を取り戻し、「バッバ・ガンプ・シュリンプ」は知らぬ者はいないほど大きな会社へと成長する。

そこで得た資金を、ダンはアップル社に投資。アップル社が上場したことでフォレストは億万長者になった。

フォレストは自分の得た資産の半分をバッバの遺族へ渡し、残りも様々な所に寄付。だが、たった1人の家族だった母親を癌で亡くしたため、フォレストは孤独な日々を過ごすことになる。

ある日、フォレストの元にジェニーが現れ2人は数年ぶりの再会を果たす。

フォレストは不器用なりにジェニーを愛し続ける。いつしかジェニーもそれに応えるようになり、幸せに暮らしていくかと思いきや、ジェニーはある朝フォレストに黙って家を出ていく。

数日ほど放心した後、わけも無く走りたくなったフォレストはジェニーから贈られたナイキのスニーカーを履いて外へ飛び出し、ひたすら走り始める。

何往復もアメリカ横断を繰り返す彼の姿を見て、大勢の人々がフォレストの後を追うように走り始め、いつしか彼は「平和を願って走る男」とアメリカ中の話題になる。そして、フォレストの元にジェニーからの手紙が届く。

映画冒頭でフォレストがバスを待っていたのは、ジェニーに会いに行くためだった。

感想

『フォレスト・ガンプ 一期一会』はテレビ放送された時にも観ているので、今回の鑑賞は何度かになるのだけれど、何度観ても面白い。

アメリカ近代史のお勉強

『フォレスト・ガンプ 一期一会』は若い人のお勉強にも役立つと思う。

主人公フォレストはケネディ大統領からはじまるアメリカ歴代大統領と何らかの関わりを持っているので「アメリカにこんな名前の大統領いたんだ~」と脳の隅っこにインプットするだけでも勉強になる。

そしてベトナム戦争やウォーターゲート事件、クー・クラックス・クラン(KKK)等の時事ネタに加えて、エルビス・プレスリーやビートルズ、大流行したヒッピー文化、HIVの感染等にも触れていく。

純愛物語としても

『フォレスト・ガンプ 一期一会』は純愛物語としても評価されている。

ただ、私は『フォレスト・ガンプ 一期一会』で描かれている恋愛パートは好きじゃない。フォレストが生涯をかけて愛しぬくジェニーは控えめに言ってクズ過ぎる。

ジェニーは父親から性的虐待を受けていて、可愛そうな生い立ちではあるものの、フォレストを「都合の良い男」として徹底的に利用していく。

フォレスト側からみると「それでも無償の愛を捧げていく」と言うとろこに美しさと感動が生まれるのだけど、女性視点で観ると「ジェニーないわ~。酷いわ~」としか思えないのだ。

……まぁ、しかし結果だけみると「それでもフォレストは幸せだったのかな」とは思う。

ベトナム戦争で生まれた友情

『フォレスト・ガンプ 一期一会』の中で私が1番心熱くしたのは、ベトナム戦争でフォレストか親友を得るところ。

フォレストの親友、黒人のバッバはベトナム戦争で戦死してしまうけれど、フォレストは帰国後もバッバとの約束を守り、バッバの家族を支援する。フォレストは知的障害者として描かれているけれど「人として大切なところ」を理解しているところが素晴らしい。

そして、フォレストが命を救ったダン・テイラー中尉がまた良い。

ダンはフォレストによって命を救われたものの、両足を失って帰国は荒れた生活を送ることになる。フォレストの家に転がり込んで、酷いことをしたりもするのだけれど、フォレストはそんなダンを見捨てないどころか、部下として尽くし続ける。

ダンは廃人寸前まで落ちぶれるのだけど、それでもフォレストのことを馬鹿にはしないし、フォレストもダンを尊敬していて、2人の絆にはグッとくるものがあった。

古き良きアメリカ人

『フォレスト・ガンプ 一期一会』の良さは何と言っても、主人公フォレスト・ガンプの魅力だと思う。フォレスト・ガンプは知的障害者として描かれているけれど、それと同時に古き良きアメリカ人なのだ。

隣人に優しく、国を愛し、常に真面目。そして女性に対して紳士。

物語のラスト近くで、フォレストがアメリカ横断マラソンのをする場面以外では、フォレストは常に襟のついたシャツを着用していて、ボタンは上までキッチリと留められていることに注目して戴きたい。

フォレストのシャツの襟については、パジャマ姿の時も同様で、パジャマのボタンも上までキッチリと留められている。

髪型もそう。最後のアメリカ横断マラソン以外の場面では、髪は完璧にカットされていてしっかりと撫で付けられている。

フォレスト・ガンプを演じたトム・ハンクスはアメリカ映画において「古き良きアメリカ人」を演じることの多い俳優さんだけど、そのイメージは『フォレスト・ガンプ 一期一会』で固まったように思う。

『フォレスト・ガンプ 一期一会』は物語としても面白いけれど「こうだったらいいのにな」的なアメリカ人が思い描く「良きアメリカ人」の生き様を描いた作品だと思う。

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