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映画『トロイ』感想。

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『トロイ』はトロイア戦争をモチーフにしたアメリカ映画。神話としてトロイア戦争を描くのではなく、人間ドラマとして構成されていた。

ブラッド・ピット、エリック・バナ、オーランド・ブルームを起用したイケメン祭りの様相で「とりあえず映像的に間違いないだろう」と思ってケーブルテレビで視聴したのだけど、確かにイケメン祭りで豪華な作品に仕上がっていた。

ただ、物語的には相当斜め上を行くので「オモシロ映画」だと思って挑むことをオススメしたい。

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トロイ

トロイ
Troy
監督 ウォルフガング・ペーターゼン
脚本 デヴィッド・ベニオフ
製作 ウォルフガング・ペーターゼン
ゲイル・カッツ
ダイアナ・ラスバン
コリン・ウィルソン
製作総指揮 ブルース・バーマン
出演者 ブラッド・ピット
エリック・バナ
オーランド・ブルーム
ダイアン・クルーガー
ブライアン・コックス
ショーン・ビーン
ブレンダン・グリーソン
ピーター・オトゥール
音楽 ジェームズ・ホーナー

あらすじ

トロイとスパルタの間に和平が結ばれた日、超イケメンのトロイ王子パリス(オーランド・ブルーム)はスパルタの王妃ヘレンと恋に落ち、彼女をトロイへ連れ帰る。

パリスの兄ヘクトルは激怒するが弟可愛さに彼を守ることを決意し、トロイ王もヘレンを受け入れる。

ヘレンの夫であるスパルタ王メネラオスは激怒。メネラオスは兄であるミュケナイ王アガメムノンを頼る。

アガメムノンはこれを口実にトロイを征服しようと決意する。

一方、ギリシアの勇者アキレスは自分や兵士たちを駒としか見ていないアガメムノンに対して不満を抱いていたが、親友オデュッセウスの頼みを受け、参戦を決意する。

最初の戦いはギリシア軍有利。先陣を切って飛び込んだアキレスとミュルミドンは瞬く間に浜辺を守るトロイ軍を蹴散らし、アポロンの神殿へと攻め入る。

パリスの従妹である巫女ブリセイスはアキレスに捕らわれ捕虜とななる。

アキレスは自分の物になることを拒むブリセイスに興味を抱き、徐々に彼女へ惹かれていく。ブリセイスもまた自分を丁重に扱うアキレスに、心を許すようになる。

しかしアキレスが自分の指示を無視した事に腹を立てたアガメムノンはアキレスからブリセイスを取り上げ、兵士達へ慰みものとして与えてしまう。

怒り狂ったアキレスはブリセイスを取り戻すが、アキレスは戦闘を放棄する。

パリスは戦争を終わらせて故郷を救うため、メネラオスとの一騎討ちに挑むことを決意する。

両軍が息を呑んで見守る中で二人は対決するが、パリスは防戦一方に追い込まれ、ついに窮地に陥る。ヘクトルは約定を破って助太刀し、メネラオスを殺してしまう。

激怒したアガメムノンは一斉攻撃の命令を下すが、アキレスとミュルミドンを欠いたギリシア軍はヘクトル率いるトロイ軍に打ち負かされる。

自軍の窮状にも関わらず戦わないアキレスが批判され、さらに帰郷まで決意したことに耐えかねたアキレスの甥のパトロクロスは、アキレスの鎧兜を身に纏い、部下を率いて戦場に赴く。

その見事な戦いはギリシア軍の士気を取り戻し、ついにはトロイ軍もヘクトルが出撃して迎え撃つ。

パトロクロスはヘクトルへと挑むが敵わずに討たれ、ヘクトル、トロイ軍、ギリシア軍は、アキレスと思っていた人物の正体がパトロクロスであったことに衝撃を受け、戦いを止める。

パトロクロスが殺されたことを知ったアキレスは激怒し、たった一人でトロイ城門の前まで戦車を走らせる。ヘクトルはアキレスと決闘するが、激戦の末に敗北。

アキレスはヘクトルの死体を戦車で引きずり回して自軍へと持ち去ってしまう。

その夜。アキレスの元にプリアモス王が息子の遺体を返して欲しいと1人で訪ねてくる。アキレスはヘクトルの遺体変換。

ヘクトルの遺体は荼毘に付され、両軍は彼を弔うため一時の休戦を約束する。

度重なる敗戦にギリシア軍は勝算なしと見て撤退の準備を進めていた。しかしオデュッセウスは兵士が子供の土産にと作っていた木彫りの馬を見て、起死回生の作戦を思いつく。そして……

パリス(オーランド・ブルーム)がクズ過ぎる

『トロイ』の中で最も強烈なキャラクターは何と言ってもオーランド・ブルーム演じるパリスだと思う。

オーランド・ブルームは『ロード・オブ・ザ・リング』でレゴラスを演じたイケメンは俳優。やさ男を演じさせたら最高の顔立ちをしているるのだけど、オーランド・ブルームの容姿をこれ以上生かした役は無いと思うほど、パリスは適役だったと思う。

パリスは確かにイケメンなのだけど、どうしようもないくらいにクズな役回り。

  • 講和条約を結んだ国の人妻に手を出して連れ帰ってしまう
  • 一騎打ちをするも負けるとなったら命乞い
  • 恋人(人妻)に自分は駄目男だけど死にたくなかったと弁明

パリスはイケメンだけど卑怯者で周囲を不幸にする存在として描かれていて、オーランド・ブルームの容姿が素晴らしくマッチしていた。

ディレクターズカット版は残酷描写は多め

戦争映画だから当たり前…と言えばそうなのだけど『トロイ』は時代ががった戦争映画にしては、残酷描写が多めだった。

私が観たのはディレクターズカット版だったのだけど、かなりキツイ。

兵士達が敵の死体の上を平気で歩く描写があったり、泣き叫ぶ赤子を火に投げ込む場面があったり。「戦争なんてこんなもの」と言ってしまえばそうなのだけど、残酷描写が苦手な方にはディレクターズカット版は絶対にオススメ出来ない。

アキレスとブリセイスの恋

『トロイ』はパリスだけでなく、全般的に「これは無いわぁ~」としか思えない人物が多い。例えば、パリスの兄にしても父親にしても、いくらパリスが可愛いからって甘やかし過ぎだ。「私情で国民を不幸にするとか、どんな駄目君主?」と思ってしまうし、その他の人物にしてもツッコミどころが多過ぎる。

そんな中で一服の清涼剤的な存在なのが、アキレスとブリセイスの恋愛だった。

アキレスのキャラクターもツッコミどころはあるのだけれど、敵国の娘…しかも神に仕える巫女との恋とか、定番だけど悪くない。

ブリセイスは巫女と言っても勇敢な女性だった…ってのも良かったと思う。

ツッコミどころばかりの登場人物達の中で、アキレスとブリセイスのカップルは比較的定番でまともだったと思う。

オモシロ要素と豪華な映像

ツッコミどころの多い映画なのは間違いないけれど、面白くないかと言えばそうとも言い難い。とりあえず映像が豪華なんだもの! 今風に言うなら「情報量が多い映像」とか「熱量の高い映像」ってところ。

なんだかんだ言ってハリウッド映画の強みは「お金を惜しまない映像」だと思うのだけど、その点において『トロイ』は十分及第点。

『トロイ』を物語や人物設定にツッコミを入れつつ楽しむ作品とするなら、なかなか良い映画だと思う。最高の映画…とは言わないけれど、休日の午後や、なんとなく暇を持て余す夜に観るには良いんじんゃないかと思う。

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