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いつも笑ってる知的障害者。

私は重度障害を持つお子さんの施設で働いている。ついこの間まで懇談会に向けての資料を作成していたのだけど、あるお子さんについてふと疑問を持った。

「この方って、いつも笑っているけど「NO」の意思を表示したことがあるんだろうか?」と。

そのお子さんは新しく入った方なので他のお子さんに較べると付き合いは断然短い。身体障害、知的障害ともに重い障害を持っていて全介助で発語はない。だけど、いつもニコニコ笑っていて可愛らしい方なので、スタッフからすると「やりやすい利用者さん」って感じではある。

私の場合、ずっとフロアにいて利用者さんと一緒にいる訳でなはくて、事務室に籠もって黙々と事務作業をしたり雑用をすることもあるので、全てのお子さんの状況を把握することは難しい。私が見ていないところで、そのお子さんが怒ったり「NO」の意思表示をしている可能性もあるので、上司に聞いてみたところ「あ…そう言えばNOの意思表示をすることはないですね」とのこと。

重度の知的障害を持つ方の中には、発語どころか表情1つ変わらなかったり、いつもニコニコ笑っているように見えるけれど、それは楽しいから笑っているのではなくて意思表示が出来ないだけ…ってケースが多々ある。

重い知的障害を持つ方の気持ちを察するのって本当に難しい。

暴れたり、手が出る人なら「ああ、これは嫌だったんだな」と理解できるけれど、表情が変わらなかったり、いつもニコニコ笑っている方の場合は「本当のところどう思っているのか?」なんて誰にも分からない気がする。

それでも、ほんの少しの反応をこちらが勝手に解釈して物事を進めていくし、そうするしかないのだけれど「どうしたら良いのか?」って答えは検索しても出てこない。

障害者と関わったことのない人の中には「障害を持っていても、いつもニコニコ笑っているって素晴らしいことだ」みたいなことを言うことがあるけど、そのニコニコは私達のニコニコとは違うかも知れない…ってことだ。

意思表示の分からない人に絵本を読んだり、パネルシアターやペープサートを演じながら、ふと「これって面白いって思ってるのかな?もしかしたら好きでもなんでもないかも知れないよな」って思うことが多々ある。

もっと科学が進歩して重度の知的障害の人の気持ちを解析できるようになれば、知的障害者も介助者も幸せになれるのになぁ…なんてことを夢想する。

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