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狂人日記 色川武大 講談社文芸文庫

精神病を患った50代の男の物語。

作者を投影している部分がある…とのことだが、私は作者の色川武大についての知識は無いし、そもそもこの色川武大の作品を読むのは初めてのこと。

しかし心にガツンと響く作品だった。

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狂人日記

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狂気と正気の間を激しく揺れ動きつつ、自ら死を選ぶ男の凄絶なる魂の告白の書。

醒めては幻視・幻聴に悩まされ、眠っては夢の重圧に押し潰され、赤裸にされた心は、それでも他者を求める。

弟、母親、病院で出会った圭子――彼らとの関わりのなかで真実の優しさに目醒めながらも、男は孤絶を深めていく。

現代人の彷徨う精神の行方を見据えた著者の、読売文学賞を受賞した最後の長篇小説。

アマゾンより引用

感想

精神病者の妄想と、主人公の現実世界が交互に描かれている。

主人公は彼と同じく病を患った女性と心を通わせて精神病院を退院を同棲生活をはじめるのだけど、私はここからが面白いと思った。

ヒロインにとって主人公は「はじめての男」。

だからこそ、精神病であれこれ問題をおこす主人公に献身する。しかも、その献身は「無償の愛」をベースにしたものと言うよりも、むしろ自己愛に満ちている。

一方、主人公は結婚経験さえあるのだけど「夫婦として心を通わせたことがない」自分にコンプレックスを持っていて、同棲している年若い愛人に対して「心を通わせたい」という焦りを感じるのだ。

私には主人公の男が「狂人だから」、同棲している愛人と心通わせられないのだなぁ……と他人事として読むことは出来なかった。

私自身、夫と結婚するまで主人公と似た思いを抱えていたのだ。恋人とまったく長続きせず「自分は一生1人でいるのだ」と本気で思っていた。

夫とは結婚して4年目になるが、こんなに関係を続けた人は37年の人生で初めてのことだ。だからこそ、主人公の焦りが痛いほどよく分かった。

それにしてもラストのオチは吃驚した。

なんと言うのかなぁ……読む人が読めは、そうなるだろうことは分かったかも知れない。しょせん私は甘い人間なのだと思う。

まさか、ああ言う展開になるとは思ってもおらず、ものすごくびっくりしてしまった。痛い…痛過ぎる。

なんだかんだ言って、女は強い…ってことだろうか? ショックだった。

久し振りに濃厚な読書をさせてもらった。

だが、この作品が好きかどうかと問われたら微妙な感じ。読むのが重いので再読は辛いかも。でも、素晴らしい作品だと思った。

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白い木蓮の花の下で
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