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ひとさらいの夏 冨士本由紀 双葉文庫

初めて読んだ『愛するいのち、いらない命』が面白かったので、冨士本由紀と言う作家に俄然、興味が出てきて読んでみた。

『ひとさらいの夏』は発売当時、話題になったようなのだけど私は全く知らなかった。もともとミステリ系の作品は読まない…ってこともあったのだと思うのだけど、実際に読んでみて「私の好みじゃないな」と思ってしまっただけに、噂を聞いても手が出なかったのかも知れない。

ただ、発売当時に話題になった…ってことも理解出来るし、話題になるだけの力のある作品だとは思う。

今回はネタバレを含む感想になるため、ネタバレNGの方はご遠慮ください。

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ひとさらいの夏

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ザックリとこんな内容
  • 表題作を含む7編が収録された短編集。表題作『人さらいの夏』は41歳の独身女性が主人公。
  • 『ひとさらいの夏』は主人公が15歳の少年心を通わせ、男女の関係になっていく物語。
  • 女性の心の奥に潜むドス黒い負の感情をテーマにした作品が多い飲食店。

感想

表題作『ひとさらいの夏』が特に無理だった。好きとか嫌いとか…って次元ではなくて「無理」って感じ。

なんと言うのかな…ノリが完全にレディースコミックなんだなぁ。

私は漫画好きだけどレディースコミックは守備範囲外。ただし、家族の入院に付き合っている時に「入院の付き添いって暇でしよ? 暇潰しに読んで」とレディースコミックの差し入れを戴いた回数がそこそこあるので、そこそこ読んだ経験はある。

41歳の「私」が15歳のイケメン中学生と身体の関係になる…って設定、あまりにも「私」に都合良過ぎる設定過ぎてついていけなかった。

「愛に年の差なんてないよ」って意見は分かるし、むしろ私も年の差恋愛は大好きなのだけど、描き方が好みじゃなかったみたい。

例えば小川洋子の『ホテル・アイリス』も親子以上に年の離れた恋愛を描いているけれど、年少者からの視点だったので「そっか…好きになっちゃったんだから仕方ないよね」と思えたのだけど、もしも年長者視点からの物語だったら無理だったと思う。

要するに私は「自分にとって都合の良い恋愛に酔ってる」ってシチュエーションが苦手なのだと思う。レディースコミックに登場する恋愛って、申し訳ないけど、多少の紆余曲折があっても「自分にとって都合の良い恋愛に酔ってる」ってシチュエーションが多いので、どうしても好きになれないのだ。

『ひとさらいの夏』以外の作品についても、自分に酔っちゃってる系のヒロインが多くて、好きになれなかった。ただ「こういう人はいるかも知れないなぁ」と言うリアリティはあった。

私は好きになれなかったけれど、需要がありそうなのも理解出来るし、よくまとまっているな…とは思った。

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