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鬼龍院花子の生涯 宮尾登美子 文春文庫

私がはじめて『鬼龍院花子の生涯』読んだのは高校生の時だった。

先日、ちょうど読みかけの本が面白くなくてオヤスミ読書の相棒にはしたくないなぁ……ということから、久しぶりに夜のお供として『鬼龍院花子の生涯』を再読してみたのだが、これがなかなか面白かった。

たとえ内容を覚えていたとしても、再読には、はじめて読む時とは違った楽しみがあって良いものだ。

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鬼龍院花子の生涯

大正四年、鬼龍院政五郎は故郷・土佐高知の町に男稼業の看板を掲げ、相撲や飛行機の興行をうったり労働争議に介入したりの華やかな活躍を見せる。

鬼政をとりまく「男」を売る社会のしがらみ、そして娘花子・養女松恵を中心とした女たちの愛憎入り乱れた人生模様を、女流作家独自の艶冶の筆にのせた傑作長篇。

アマゾンより引用

感想

この作品は高校生で読むには、ちょっと早すぎるのかも知れない。

なにしろ初めて読んだときの感想は「真面目に生きないと碌な死に方をしないから気をつけなくっちゃ」というものだったから。

当時は物語の面白さよりも花子の死に方の惨めさばかりが心に残ったものだけれど、今読んでみると、感想が変わっていた。

我がまま放題に育った、頭も悪く、気働きのできない花子を当時の私は「嫌い」としか思えなかったが、今なら花子の魅力もなんとなく分かるような気がするのだ。

まぁ、だからって「好き」なタイプの人間でないことは変わらないけれど。

そして自分でも吃驚だったのが、ものすごくハマってしまったヒロイン松恵の人となりが、この年になって読むと、うざったいということである。

真面目で直向で頭が良くてというのは素晴らしいけれど、幸せに背を向けているところが、なんとも鬱陶しい。

2人の女と対照的に、鬼政は生き生きと魅力的だ。

解説に「この小説の主人公は鬼龍院花子でなく、鬼政である」とあるが、なるほどその通りだと思う。

宮尾登美子の作品には「多くの女を振り回す男」がよく登場するけれど、こういうタイプの書き方は本当に上手い。

現実的に考えると「ヤクザ」なんて大嫌いなのだけれど「ヤクザ」の物語って、どうしてこんなに面白いのだろうなぁ。

破天荒なところが良いのか、それとも独特の言葉遣いに惹かれてしまうのか。面白い作品というのは、時代を経ても古臭さを感じさせないということをあらためて実感させられた作品だった。

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白い木蓮の花の下で
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