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報われない人間は永遠に報われない 李龍徳 河出書房新社

李龍徳の作品を読むのはこれで2冊目。私、けっこう好きみたい。

デビュー柵の『死にたくなったら電話して』が好きな人は楽しめるのではないかと思う。

読後感はとても悪い。この人の書く作品はトゲトゲしている。切れ味の良いナイフ…と言うほどは尖っていなくて「触ると刺すぞ」って感じ。嫌な話を頑張って書いてるな…と微笑ましい気持ちになってしまった。

そもそも題名が気に入った。『報われない人間は永遠に報われない』だなんて、完璧に狙っているし煽っている。

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報われない人間は永遠に報われない

ザックリとこんな内容
  • 主人公は深夜のコールセンターで働く若者。
  • 3000円で賭けに乗り、さえない上司・映子との模擬恋愛を始める。
  • なんとなくSMちっくな香り…

感想

今回の主人公達は深夜のコールセンターで派遣社員として働く若者が主人公。主人公は同じくコールセンターで働く契約社員の女性と恋をするのだけど、この恋のお相手が姫野カオルコの作品に出てきそうな真面目で陰気でMっ気のある女性。

主人公も歪な性格だけど、恋人はさらに上を行く感じで、純文学系恋愛小説の王道って感じだった。

……とは言うものの、新しい感じは特になく。ダラダラと嫌な感じの恋愛話を読まされるだけの作品だ。

巷によくある恋愛なのだと思う。だが、そこが良い。「ありがち」な話を描くことも文学として昇華出来るならアリだ。

ありがちな話を昇華出来るかどうか…ってことろが評価のポイントになるかと思うのだけど、その点については微妙な感じ。

途中まで「この2人はどうなんるんだろう?」とワクワクして読んだのだけど、予想できる範囲でのオチがついただけで「えっ? これだけ?」と言う気持ちになってしまった。「なんか惜しい」のひと言に尽きる。

…とは言うものの、作者が目指している路線は嫌いじゃないし、応援したいと思っている。

最初に「けっこう好きみたい」と書いたけれど、作品としてはそこまで面白いとは思えなかった。

もっと残酷でもいいし、もっと話をひねって欲しい。

どことなく吉村萬壱 の描く世界と少し似ている気がするのだけれど吉村萬壱の圧倒的な嫌な感じには全く届いていないのだ。

今後、化けてくれると期待して、李龍徳はとりあえず次の作品が出たら読みたいと思う。

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白い木蓮の花の下で
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