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白夜を旅する人々 三浦哲郎 新潮文庫

『白夜を旅する人々』はは私にとって愛すべき特別な本達……の中の1冊。はじめて読んだのは、ずっとずっと前のこと。なのに今でも、たまに読む。

三浦哲郎は好きな作家の1人だけど、中でも『白夜を旅する人々』は格別に好きだ。

物語の舞台は昭和初期の東北地方。

ある旧家の一族にまつわる物語で作者、三浦哲郎の生い立ちとリンクしている部分がある。

そのため、三浦哲郎の書いた他の小説か、エッセイとあわせて読むと面白さはさらに倍。

なんとなく「血」とか「因襲」とか「一族」とか「宿命」とか、陰気なニュアンスを含む言葉を連想させる作品である。

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白夜を旅する人々

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ザックリとこんな内容
  • 物語の舞台は昭和の初期の青森県。
  • 呉服屋『山勢』の長女と三女は、アルビノとして生まれ落ちた。
  • 三浦哲郎と思われる少年が『山勢』末っ子として生まれるところから物語がはじまる。
  • アルビノの姉妹に挟まれた次女は津軽海峡に身を投げ、長男も疾走。

感想

題名にも使われている「白夜」は「白」に通じていて「白」は「白子」……アルビノという業を背負った姉妹に通じている。

しかし、物語の主軸はアルビノの姉妹ではなく、彼女達の周囲にいる人々だ。

黄色い肌、黒い瞳、黒い髪を持たないがゆえの悲劇……しかも、同じ家に、そんな「姉妹」が誕生してしまったとなると本人や家族の舐めた辛酸は容易に想像できるだろう。

そして、その「辛酸」を中心に物語は展開していく。

はじめて読んだ時はアルビノの姉妹に挟まれて育った「れん」という名の少女に自分を重ねて読んだものだった。

誰もが、この小説に登場する誰かに自分を重ねることができるのではないかと思う。

もし「自分は誰にも似ていないし、重ねることになんて出来ないや」って方がおられたら、とても幸せなことではないだろうか。

この作品は人間の「哀しみ」を描いたものだと思う。

「悲しみ」ではなくて「哀しみ」その言葉の意味する微妙なニュアンスの違いは日本人ならでは…といったところか。

しかし、この小説は暗くて、陰気で、死にたくなってしまうような作品では決してない。

辛い物語ではあるが決して生きること、生活することに否定的ではないのだ。その証拠に、ラストは次のような言葉で締めくくられている。

また新しい、白々とした夜を迎えようとしていた。

白々としていたとしても、その夜は「新しい」のだ。

たとえ、それが哀しいリフレインであったとしてもやはり「また新しい」ものを迎えていくのが人生ってものなのかも知れないな……などと思ってしまった1冊だった

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白い木蓮の花の下で
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