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ジェリー・フィッシュ 雛倉さりえ 新潮社

所帯持ちになってから、本は1度図書館で読んでからしか買わないようにしているのだけど、この作品は試し読みをせずに購入した。

巷の噂をチラホラ聞いていいるうちに「これは買いだ。たぶん好みの本だ」と直感が働いてしまったのだ。

そして、私の直感に間違いは無かった。

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ジェリー・フィッシュ

お願い、私の首を絞めて。もっときつく、私を貶めて――。クラゲ水槽の前で突然交わした、初めてのキス。夏の夜、廃墟と化した植物園での貪るようなセックス。

真っ逆さまに、恋と性の狭間にころげ堕ちて行った私たちは、永遠を信じない振りして確かに信じていたんだ――。

16 歳の圧倒的筆力が突きつける、瑞々しい恋、残酷な生と性。

アマゾンより引用

感想

16歳の女子高生が書いたデビュー作との事だけど、その年齢の女の子が書いたとは思えない大人びた文章だった。

女同士の恋愛を含む連作短編集。若い女性作家さんなのにスイーツ臭が無いのだ。

初期の松浦理英子と似ているような気がする。

勿論、まだまだ荒削りだし、突っ込み切れていないところも目立つけれど、それでもデビュー作としては充分過ぎるほどだと思う。

文章がとても美しく、思春期の少女の心情が丁寧に描かれている。厨二病臭いテーマを扱っているくせに、厨二病な感じがあまりしない。

余計な装飾を削ぎ落としたスマートな文章で私はとても気に入った。残念なのは少年パートが雑だったってこと。いっそ少女だけで攻めた方が良かったように思う。

作者の雛倉さりえは「とにかく美しいものが書きたかった」と言っているけれど、読み手側から言わせると、綺麗なだけでは物足りない。

この作品の場合、特殊な性癖について書きたかったのか、それとも同性愛について書きたかったのか、あるいは思春期特有のモヤモヤについて書きたかったのかが散漫になってしまっていて残念だった。

3つのテーマを絡めるにしても、個々にもう少し突っ込んだところがないと、上滑りで「ただ綺麗なだけの作品」に終わってしまう気がする。読者の心を打つには少し足りない。

青田買い的ではあるけれど、今後がとても楽しみ。全力で応援したい。

1発屋で終わる可能性もあるけれど、二の矢が打てるのなら凄い作家さんになりそうな気がする。次回作が楽しみだと思わせてくれる1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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