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ぬるい毒 本谷有希子 新潮社

ものすごく嫌な気持ちになる作品なのだけど、わりと面白かった。

好き、嫌いで言うと決して好きとは言えない作品だけど、こんな風に「嫌な感じ」を演出出来るって、ある意味凄いのかも知れない……と思う。

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ぬるい毒

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あの夜、同級生と思しき見知らぬ男の電話を受けた時から、私の戦いは始まった。

魅力の塊のような彼は、説得力漲る嘘をつき、愉しげに人の感情を弄ぶ。自意識をずたずたにされながらも、私はやがて彼と関係を持つ。

恋愛に夢中なただの女だと誤解させ続けるために。最後の最後に、私が彼を欺くその日まで―。一人の女の子の、十九歳から五年にわたる奇妙な闘争の物語。渾身の異色作。

アマゾンより引用

感想

19歳の女子大生だった主人公のもとに、ある日、同級生と名乗る男性から電話がかかってくる。

そして22の5年間が綴られていく。私は、じわじわと嫌な感じの心理戦を読まされているような錯覚に落ちてしまった。

好き嫌いを言うなら、断然嫌いな部類。でも、今までに無かったスタイルなのは認めざるを得ない。

登場人物達は「怪しい人」であり「痛い人」であり「変な人」だ。

普通の感覚で読んでいたら腹立たしいしムカムカする。でも、いるんだなぁ……そういう人。この作品の登場人物ほど極端では無いけれど、このテの人間を私は何人も知っている。

なのでムカムカするような話ではあるけれど、リアリティのある話だと思う。

個人的にちょっと残念だったのは謎を謎のまま残してしまったこと。これは「敢えて」なのだとは思うけれど、もうちょっと突っ込んで欲しかった気がする。

もし、これが小説ではなくてお芝居だったら謎を謎のまま残してしまっても良いとは思うのだけど。

この作品で最も感心させられたのは『ぬるい毒』という題名。

作品の内容をこれ以上表現出来る題名は無いと思う。良いセンスだ。この作品自体は気持ち悪くて好きにはなれなかったけれど、

本谷有希子について興味が出てきたので、機会があれば他の作品も読んでみようと思う。

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白い木蓮の花の下で
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