ニュースステーションの人気コーナーだった「最後の晩餐」を1冊の本にまとめた対話集。
「明日死ぬとしたら最後に食べる食事は何がいいか?」という質問がメインだが、それ以外にもダラダラとゲストの人生観を聞く……という形式になっている。
いかりや長介、美輪明宏、ジャイアント馬場、ミヤコ蝶々などゲストの名前を聞いただけでも「ちょっと読んでみたいかも」と思わせるような魅力的な対話集だった。
最後の晩餐―久米宏対話集
「明日あなたが死ぬとわかったら、最後の晩餐は誰と、どこで、何を食べたいですか」。
いかりや長介、内田春菊、大石静、大橋巨橋他、『ニュースステーション』話題のシリーズを完全再現。
アマゾンより引用
感想
十人十色という言葉があるけれど、ホントに人って、それぞれ違うんだなぁ……と思う。
「最後の晩餐」の質問に対して「これが食べたい」とハッキリ語る人と「食べ物に執着はないから」とメインの質問以外の話をする人がいた。
「最後の晩餐」に選ぶ食べ物は自分の好きなものか、または思い出の食べ物を選ぶ人がほとんど。まぁ当然と言えば当然という感じ。
ちなみに「食べ物に執着はないから」という人は言っちゃぁなんだが、かなり理屈っぽい人が多いような気がした。
美輪明宏とかミヤコ蝶々とか。「説教好きな人」と言ってもいいかも知れない。
まったくの私感ではあるけれど「これが食べたい」と言える人の方が人生を楽しんでいるような気がする。
私が「最後の晩餐」のメニューを選ぶとすれば「おにぎり」を選ぶかなぁ。お味噌汁がついたら、それで満足…って感じ。
だが現実的なことを考えるとするなら、体調や、そのときのシュチュエーションによって食べたいものは変わってくるはずなのだ。
ゆえに「最後の晩餐」は、あまり意味がない質問であるといえなくもない。
しいて言うなら「最後の」ってところがポイントなのだろう。
自分の臨終をシュミレーションしてもらうことによって、人生観や生死観のようなものを聞き出すのに、うってつけの質問なんだろうなぁ……とは思った。
語ることで人柄が見えてくると言うのか。
シラフで語るにはこっ恥ずかしいことでも、こういう形だったら恥ずかしくなく語れてしまうのだろうなぁ。久米宏のインタビュアーとしての力もあるとは思うのだが。
それにしても若い人の話よりも、年配者の話の方が面白かったのは年の功なんだろうか。
それとも「死に近い」ってところが語りを熱くさせるのだろうか。なんだかんだと考えたりして、やけに面白く感じた1冊だった。