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調律師 熊谷達也 文藝春秋

音を匂いとして感じることの出来る「共感覚」という特殊な能力を持った調律師をめぐる連作短編集。

東日本大震災後を挟んで物語が描かれている。震災をテーマにした作品ではなく、震災前に書き始めて、震災を挟んで書き終えたとのこと。

前半と後半で雰囲気がガラッっと変わっているのが興味深い。

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調律師

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交通事故で妻を亡くし、自身も大けがを負った結果、音を聴くと香りを感じるという共感覚「嗅聴」を得た鳴瀬玲司は、ピアノの調律師を生業としている。

さまざまな問題を抱えたピアノ、あるいはその持ち主と日々接しつつ、いまだに妻を忘れられずにいた鳴瀬だったが、ある日、仕事で仙台に向かうことに―。

アマゾンより引用

感想

1つ1つの物語はとてもよく出来ていたと思う。熊谷達也はどちらかと言うと職人系の物書きさんのように思う。

丁寧でよく計算されていて、荒ぶったところが見当たらない。だけどそれは長所でもあり短所でもあると思う。

これはたぶん相性の問題だと思うのだけど私はこの熊谷達也の作品を読んで「上手いなぁ」とは思っても、心に響かないのだ。

「共感覚」という特殊な能力を全面に出してきたのもマズかったように思う。

感性に走っちゃうタイプの作家さんなら良かったのだけど、職人系なだけに、どうにも説明的で詩的な部分に欠けるのだ。そのせいか、せっかく音楽をテーマにして作品なのに、曲がちっとも見えてこない。

つい、先日、別の作家さんの作品で『遠い旋律、草原の光』を読んだ時は音楽の描き方が素晴らしくて震えたものだけど、残念ながらこの作品はまったくその逆。音楽を感じられない作品だった。

とは言うものの、人間の心を掘り下げて書いたという意味では優れた作品だと思う。その意味では、とても丁寧で好感が持てた。

個人的には物足りない作品ではあるけれど、丁寧に書かれた秀作だと思う。

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白い木蓮の花の下で
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