中山可穂

銀橋 中山可穂 角川書店

中山可穂の宝塚シリーズ。『男役』『娘役』に続く3作目は『銀橋』。 銀橋とは 宝塚歌劇で舞台前面のオーケストラボックスと1階客席との間にあるエプロンステージのこと。出演者と観客が最も近くなる特別な場所で宝塚独特のシステム。感覚としては歌...
中村文則

R帝国 中村文則 中央公論新社

分かりやすいディストピア小説だった。作者の作品を読むのはこれが初めてなのだけど「センスあるなぁ」と感心した。ディストピア小説が好きな人ならサクサク読めると思う。ちなみに題名になっているR帝国とは日本のこと。R帝国の他にもY宗国だのB国だの実...
中村理聖

若葉の宿 中村理聖 集英社

デビュー作である『砂漠の青がとける夜』に続く2作目。今回の作品も京都が舞台。京都の町家旅館に育ったヒロインの成長する姿を描いた青春小説。1作目よりグンと上手くなっている気がする。1作目は頑張っているけれど、物語がとっ散らかっている感じだった...
中山可穂

ゼロ・アワー 中山可穂 朝日新聞出版

私にとって中山可穂は恋人のような存在だった。長年読書をしていると必要以上に思い入れしてしまう作家が出てくるものだ。父的存在は遠藤周作と吉村昭。母的存在は有吉佐和子と河野多恵子。そして中山可穂は恋人。しかしこの作品を読んで彼女は私にとって、も...
中山可穂

娘役 中山可穂 角川書店

前作の『男役』に続く宝塚小説第2弾。今回は『娘役』。宝塚の娘役さんがヒロイン。そして、その娘役に片思いするヤクザの男の物語。中山可穂らしいドロドロの恋愛…ではなくて、あくまでも宝塚歌劇団を描いた作品で、ヤクザのパートは宝塚話に付随している感...
名梁和泉

二階の王 名梁和泉 角川書店

ツイッターで「怖い」と評判になっていたので読んでみた。第22回日本ホラー小説大賞で優秀賞を受賞とのこと。 私は推理とかミステリが苦手なのだけど、不思議とホラーは嫌いじゃない。大のホラー好ってほどではないけれど、たまに読みたくなってしま...
中島京子

院内カフェ 中島たい子 朝日新聞出版

最近の総合病院は昔に較べると設備が断然良くなったと思う。私が子どもの頃の病院は美味しくない食堂兼喫茶店があって、陰気な売店があれば御の字……って感じだったけれど、イマドキの病院はコンビニやATMがあり、セルフサービスのチェーン店カフェがあっ...
中島らも

寝ずの番 中島らも 講談社文庫

この夏は何故だか私の中だけで中島らも祭りが開催されている。理由はよく分からない。まぁ中島らもの作品は夏が似合うから仕方がない。『白いメリーさん』のホラーは夏に読むのが良いし、アル中・薬中系の話も夏が似合う。この作品はそのどちらにも当てはまら...
中島らも

今夜、すべてのバーで 中島らも 講談社文庫

暑くてダルくてたまらなくなると、中島らもが読みたくなる。暑さと身体のダルさに負けてしまうような時は、中島らもでも読んでとことん駄目な感じを満喫した方がいいんじゃないかな……と言う発想。中島らもの作品は人として駄目な感じがするけれど、読んでい...
中村理聖

砂漠の青がとける夜 中村理聖 集英社

第27回小説すばる新人賞受賞作。ツイッターで評判が良さそうだったので手に取ってみた。表紙が素敵だ。 物語の舞台は姉妹で切り盛りする京都のカフェ。主人公は元編集者でウェイトレスをする次女。カフェで腕をふるうのは長女。設定も内容も全然違う...
中山可穂

男役 中山可穂 角川書店

中山可穂と言うと「なかなか新作を書いてくれない作家さん」と言うイメージが強い。何年も新作が出なくてヤキモキさせられてばかりだったので、前回の『愛の国』からあまり間を空けずに新作が出ていて吃驚した。新作が出ていた事を知らず、ネットで情報を知っ...
夏目鈴子

バイブを買いに 夏目鈴子 角川文庫

「題名は露骨だけれど、なかなか味わい深い良い作品だよ」……なんて噂を聞いてトライしたのだけれど私の心にはイマイチ響いてこない1作だった。良くもなく、悪くもなく……といったところ。 だったら、わざわざ日記に書くこたぁないか。そう思ったり...
菜摘ひかる

風俗嬢菜摘ひかるの性的冒険 菜摘ひかる 光文社知恵の森文庫

「菜摘ひかる好きそう」と言われることが多いのだが、いままで1冊も読んだことがなくて、今回初のチャレンジ。結論から書くと、意外と好きではなかった。嫌いというほどのものではないが、私は「1つのことに通じた人」が好きなのだ。「渡り歩いた人」にはイ...
梨木香歩

f植物園の巣穴 梨木香歩 朝日新聞出版

もしかしたら、私は作者の作品と相性が悪いのかも知れないと思った。『西の魔女が死んだ』を読んだ時は「これは素晴らしい!」と絶賛したが、それ以降の作品は「すごく綺麗だし、ストイックで良い作品なんだけど、なんだかなぁ…」と、どうにも腑に落ちないと...
梨木香歩

家守綺譚 梨木香歩 新潮社

「日本人っていいなぁ」と思わせてくれるような気持ちの良い読み物だった。時は明治時代。貧乏文士が亡き親友の家の「家守」として暮らす日々を描いた作品。河童や人魚、小鬼など「ちょっと不思議な日本」がテーマになっていて、水木しげるの漫画だの、波津彬...
梨木香歩

村田エフェンディ滞土録 梨木香歩 角川書店

時は1899年。トルコ政府の招聘によって考古学の研究にトルコに滞在している主人公(村田)の周囲に起こった物語。なんとなく実録風だが、あくまでも小説。ちなみに題名のエフェンディとはトルコの言葉で学問を修めた人への敬称とのこと。 主人公は...
梨木香歩

丹生都比売 梨木香歩 原生林

これはちょっと肩透かしとしか言いようのない作品だった。草壁皇子を描いたファンタスティックな小説で、私がもっとも苦手とする「口当たりが良くてフワフワと軽い、なんちゃってファンタジーの世界」だったのだ。文章は綺麗だし、それなりにまとまっているの...
梨木香歩

エンジェル エンジェル エンジェル 梨木香歩 新潮社

作者の作品は、そこそこ数を読んできたけれど、この作品が1番好きだ。題名のイメージから「女性向けのフワフワした口当たりの良い作品だろう」という思い込みから、いままで避けていたのだけれど、良い意味で裏切られてしまった。 表面的には乙女ちっ...
梨木香歩

沼地のある森を抜けて 梨木香歩 新潮社

ちょっと不思議な雰囲気のある作品だった。いしいしんじのような、薄井ゆうじのような。舞台は現代日本なのだけれど、ちょっとファンタジー色が入っている。非常に女性らしい作品だった。「糠床から人が出てくる」なてん発想は、男性には出来ないのではなかろ...
梨木香歩

春になったら苺を摘みに 梨木香歩 新潮文庫

この作者の作品は『西の魔女が死んだ』しか読書録には書けていないのだけど、まぁそこそこに読んでいて、毎度のように「この人の書くものって、外国の少女小説の匂いがするなぁ」と思っていたのだけれど、このエッセイを読んでその謎が解けた。作者は海外生活...