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流浪の月 凪良ゆう  東京創元社

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『流浪の月』は第17回本屋大賞受賞作。アマゾンオーディブルの朗読を聞いた。

女児誘拐事件(監禁事件?)を軸にした作品で広瀬すずと松坂桃李の美男美女コンビで映画化されている。

『流浪の月』はネタバレしちゃうと台無し…って感じの作品なので、今回はネタバレしないで感想を書こうと思うのだけど、ネタバレしないでどこまで伝わるのかは謎ではある。

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流浪の月

ザックリとこんな内容
  • 両親と別れ、母方の叔母の家に引き取られた家内更紗は世間を騒がせた誘拐事件の被害者だった。
  • 誘拐事件の犯人は19歳の大学生、佐伯文。公園で更紗に声をかけ、一緒にマンションで2ヶ月ほど暮らしていた。
  • 誘拐された小学生が警察官に抱えられ泣き叫ぶシーンは居合わせた人の携帯電話で撮影され、インターネット上で拡散されていった。
  • 事件が終わった後も更紗は「傷物にされた可哀想な女の子」、文は「ロリコンで凶悪な誘拐犯」としてレッテルを貼られ続けられていた。
  • そして15年の歳月が過ぎ、更紗が24歳になったある日、偶然、文と再会する。
  • 外部からは見えない真実とは?

感想

流石は本屋大賞受賞作。まあまあに面白いし物語性が高い。テンボ良く読ませてくれるタイプの作品なので飽きることなく一気に読むことができる。

……とは言うものの「ガンガン読める」と「良い作品である」をイコールで繋げることはできない。楽しい時間を過ごさせてもらったものの、イマイチ納得がいかずに引っ掛かる部分が多い。

まずイマイチ共感出来なかったのが主人公達は美男美女である…ってこと。いや…まぁ、創作だから仕方ないし醜男醜女だったらテンション上がらないだろうから「仕方ないな」ってころはあるものの「少女漫画かよ!」って突っ込みたくなるような過剰描写はどうかと思った。

物語のテーマに「真実は当事者同士しか知らない」ってところがあるのだけれど「いやいや。真実を知って欲しいなら努力すべきでは? PTSD等の問題もあるだろうけど、それにしてもさ…」みたいな事を思ってしまって、ガッツリとハマり切ることができなかった。たぶん…だけどヒロインの更紗の言動にムカつく人は一定数すると思う。

だけど「これは本屋大賞らしい作品だなぁ」とも思った。世の中で起こっている出来事や社会的な問題を上手に盛り込んで1つの物語にしている職人技は素晴らしいと思った。吉村昭をチャラくしたらこうなるかもな…と追ったり。

さて。ネタバレは避けたいので物語の核になる「秘密」の部分については伏せておくけれど、この秘密についてはちょっと予想外だった。

確かによく読めば途中にヒントが書かれているけれど、大きな不幸の原因にされると「えっ? そんな話だったの?」と、少し面食らってしまった。

私は『流浪の月』を読んだ時点では映画版を観ていないのだけど、何かの機会に観てみみようと思う。最初から最後までリリカルな感じなので映画化に向いている気がする。

作者である凪良ゆうの作品を読むのはこの作品が初めてだけど、機会があれば別の作品も読んでみたいと思う。

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