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二階の王 名梁和泉 角川書店

『二階の王』はツイッターで「怖い」と評判になっていたので読んでみた。第22回日本ホラー小説大賞で優秀賞を受賞とのこと。

私は推理とかミステリが苦手なのだけど、不思議とホラーは嫌いじゃない。大のホラー好ってほどではないけれど、たまに読みたくなってしまう。

と言っても本格的な海外ホラーではなく現代日本がテーマの物が好きなので、角川ホラー文庫に収録されている作品や日本ホラー小説大賞受賞作などを気が向いた時に読む……と言うスタンス。

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二階の王

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ザックリとこんな内容
  • 第22回日本ホラー小説大賞で優秀賞を受賞
  • ヒロインの兄は30歳を過ぎているが、何年間も二階の自室で引きこもり生活を送っている。
  • ヒロインは恋人に兄のことは話せずにいた。
  • 一方、元警察官の仰木と6人の男女たちは、考古学者・砂原が遺した予言を元に『悪因研』を名乗り〈悪因〉の探索を続けていた…

感想

そう言えば日本ホラー小説大賞出身の作家さんって、息長く活躍されている方が多い気がする。岩井志麻子もそうだし、坂東眞砂子もそうだ。

この作品は「引きこもり」が大きなテーマになっている。

フリーターをしているヒロインは兄が引きこもり。最初は引きこもり云々と言った話がメインで進んでいく。引きこもりを支援する団体が登場したり、ヒロインに「友達以上恋人未満」の相手が出来たり。

物語の3分の1くらいまでは「これって引きこもりの立ち直り物語なの?」と思ってしまうような、のんびりした展開。

一方、ヒロインの話とは別に、人が異形の姿に見えてしまう能力をもった人達の集まり「悪因研」の活動が並行して進んでいく。

こちらが物語の軸になっていくのだけど、ここにもまた「元引きこもり」の人がいたりする。そして最終的には「人類をおびやかす大いなる悪」と戦っていく。

悪く無かったけれど漫画とか映像向けの作品だと思う

「だけど、日本のホラーって漫画っぽい作品が多いでしょ?」と言われてしまえばそれまでだけど、登場人物達に重みがなくて、なんだかプラスチックみたいなのだ。

二次元的で息遣いが伝わってこない。ヒロインは結婚を考えるような年齢で、親しくなった男性との将来を考える時「引きこもりの兄」について悩む場面があるのだけれど、切迫感が伝わってこなかった。

これはヒロインだけではなく、どの人物もアッサリしていて魅力に欠ける。

「引きこもり問題→巨悪と戦う」と言う流れは面白いと思うのだけど、ネタだけが先走りしていて筆力がついていっていないように感じた。

ホラー小説なのに怖くなかったのも大問題。ある時点で「これは主人公が勝つんだろうなぁ」と安心してしまうような流れになってしまっていて、最後までドキドキを持続出来なかったのだ。終盤は読んでいて飽きてしまった。

しかし「いいな」と思える工夫も多かったのも事実だ。今後に期待したいな……と思う。
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白い木蓮の花の下で
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