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嘘と人形 岩井志麻子 太田出版

『嘘と人形』は好き嫌いが別れると思うのだけど、とりあえず今までの岩井志麻子の作品を期待して読むとガッカリすると思う。

ひとことで言うならイヤミス(読後、嫌な気分になるミステリー小説)だと思う。

私はちっとも楽しめなかったし、面白いと思えなかったのだけど、人によってはハマるかも知れないな…と言う予感がする。

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嘘と人形

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ザックリとこんな内容
  • 岩井志麻子本人を模した登場人物が登場する。
  • ちなみに、岩井志麻子と似ているとされる本間切美は猟奇的な方法で殺害される。
  • 殺害された本間切美は子供たちに人気のヒョウのぬいぐるみの首にくるまれて転がっていた。
  • 本間切美の殺害方法はQ国で起きた「ガオちゃん殺人事件」に酷似していた……。

感想

岩井志麻子と言うと私は真っ先に『ぼっけぇ、きょうてえ』を思い浮かべる。日本ホラー小説大賞受賞作で圧倒的に面白かった。

以降、沢山のホラーを書いていて、私も一時期追っていたのだけれど、突然下品なエロ作品が増えてしまったため、辟易してしばらか遠ざかっていたのだけれど、今回はミステリーとの事で手にとってみた。

この作品はインターネットで活躍していた自称芸術家の首が切断されるという猟奇事件にまつわる物語で作者自身も登場する。

話の作りはかなり凝っていて好きな人にはたまらないと思う。

貧困家庭に育った女性の描写やQ国(恐らくベトナム)の描写は不愉快なほどリアルな感じに描けている。

ただ「1つの物語」と言うよりも、小さなエピソードをパッチワークのように繋げていく方式になっているので、ちょっと凝ったミステリーが好きな人には面白いと思う。

しかし残念な事に私はちっともハマれなかった。

……と言うのも作品を流れる空気が何気に感覚が古臭いと言うかオバチャン臭くていただけない。

ネットの使い方がどうも昔風で違和感があり過ぎだし、Q国の描写等もバブル時代を知るオジサンから聞く武勇伝のようでイマイチ興味持てなかった。

そして何より残念だったのは猟奇殺人がテーマになっているわりに、ちょっとも怖くないって事。残虐な描写があるけれど「気持ち悪い」とは思えても「怖い」と言う気持ちは湧いてこなかった。

正直なところ個人的には「読まなきゃ良かった」としか思えない作品だったのだけど、それでも岩井志麻子って作家は嫌いじゃない。

なんか人生を謳歌しているな……って気がする。

私は面白いと思えなかったけれど、きっと作者が面白いと思う要素を目一杯詰め込んだんだろうな…って事は理解出来る。

作者はもう『ぼっけぇ、きょうてえ』のような作品は書かないだろうし、私の好きな路線からはズレてしまったけれど、今後もお元気で執筆活動を続けて戴きたいな…と思う。
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