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あひる 今村夏子 書肆侃侃房

表題作と他2編。表題作の『あひる』はは芥川賞候補になったとのこと。

働いていた頃、通勤途中にあひるを飼っている家があり、毎朝あひるを見るのが楽しみだった事を思い出し、前評判等は知らない状態で手に取った。

今回はネタバレを含むので苦手な方はご遠慮ください。

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あひる

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あひるを飼い始めてから子供がうちによく遊びにくるようになった。あひるの名前はのりたまといって、前に飼っていた人が付けたので、名前の由来をわたしは知らない―。

わたしの生活に入り込んできたあひると子供たち。だがあひるが病気になり病院へ運ばれると、子供は姿を見せなくなる。2週間後、帰ってきたあひるは以前よりも小さくなっていて…。

日常に潜む不安と恐怖をユーモアで切り取った、河合隼雄物語賞受賞作。

アマゾンより引用

感想

好き嫌いが分かれる作品だと思うけれど私はかなり楽しませてもらった。特に表題作の『あひる』。

物語の年代は明記されていないけれど、恐らく古き良き昭和なのだと思う。

主人公は医療系の資格試験の勉強中の娘さん。両親と暮らしていて、結婚して家を離れた兄がいると言う設定。一家はあるキッカケからあひるを飼うことになる。

あひるは近所の人気者となり、子ども達があひるを見に来ることで、家が華やいだ雰囲気に包まれるのだけど、あひるは徐々に弱っていく。

父親は「あひるをを入院させる」と言って、あひるを連れて行く。

しばらくしてあひるが帰宅するのだけど…なんと、それは元のあひるではなく別のあひるなのだ。主人公はあひるが別のあひるに変わっている事に気づくのだけど、口に出すことなく2羽目のあひるを受け入れる。

しかし2羽目のあひるも病気にかかり、また入院。3羽目のあひるがやって来る…といいう流れ。

そこに色々とドラマが入ってくるのだけど「昭和にありがちなこと」が生き生きと描かれていて感心した。

今の感覚からすると、初代あひるが死んで、2代目が知れっとやって来るだなんてありえない。

「ペットも家族の一員じゃないの?」って事になりそうなのだけど「ペット=家族」って感覚は昔にはなかったように思う。

昔もペットを家族として愛していたご家庭もあったかと思うのだど「ペット=家畜」という感覚の人も多くて、少なくとも家で飼っているニワトリは卵を取るか食べるかするものだったし、ヤギや牛も乳を絞るために飼っていた。

正しいとか正しくないとか、そう言う問題じゃなくて、昔と今とでは価値観が全く変わっているって事を『あひる』を読んで気付かされた。

初代あひるが死んで、知れっと2代目がやって来たくだりを読んだ時は一瞬「えぇ~っ。ないわぁ~」と思ったものだけど、よくよく考えてみたらアリなのだ。

『あひる』を読んでいると子どもの頃の事を思い出してしまった。

祖母の家ではチャボを飼っていて、祖母の家にいくと産みたての玉子を食べさせてくれたものだけど、あのチャボはペットではなく家畜だった。

祖母は庭で犬を飼っていた。犬の名は代々「チロ」と名付けられていて、家族と言うより番犬って感じだった。

チロはそれぞれ「最初のチロ」「前のチロ」「今のチロ」と呼び分けられていた。

当時、家の外で飼われていた多くの達はドックフードではなく、一家の残り物や「味噌汁がけご飯」を食べていて、チロも味噌汁がけご飯を食べていた。

話が脱線してしまったけれど『おばあちゃんの家』も『森の兄妹』も昭和ノスタルジーが漂う作品でそれなりに楽しめた。

ただ、こちらの2作は『あひる』に較べるとインパクトがなくて印象が薄い。

『あひる』に関しては個人的には相当好きな部類だし、動物好き人とか昭和ノスタルジーが好きな人にオススメしたい作品なのだけど、いかんせんコスパが悪いので「是非、読んでください!」とは言い難い。

140ページで1300円。

読むのが早い人なら1時間あれば読めてしまうほど薄い本なのだ。なので読むならとりあえず図書館で借りて戴きたい。

出版社も色々と事情があるのだろうけど、正直これは酷いと思う。文庫なら分かるのだけど、この分量のハードカバーでこのお値段だと、ファンでなければ手が出ない。

それはそれとして作品自体は面白かった。初挑戦の作家さんなので、他の作品も読んでみようと思う。

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白い木蓮の花の下で
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