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12の星の物語 薄井ゆうじ アクセス・パブリッシッグ

童話と呼ぶには、あまりにも大人向けだし、短編小説と呼ぶには、あまりにもメルヘンだし……という物語が12個はいった短編集。いちおう12星座にまつわる題名がついているのだが、その内容12星座とまったく関係がない。12星座は「人間」や「物」よりも俄然「動物」の含有率が高い訳だが、そのせいか動物の登場する作品が多かった。私は作者の書く「擬人化動物」が大好きだ。

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12の星の物語

12の星座に秘められた12のハートフル・ストーリー。どこにもない世界の誰でもない人たちの物語。でも実は、あなた自身の物語…。

アマゾンより引用

感想

山羊から「あなたが好きだから手紙を食べてしまった」と謝られてしまったら、私はその山羊を愛さずにはいられないと思う。

薄井ゆうじのの描く「擬人化動物」はとても優しい。優しくて、ほんのり可哀想なあたりが、たまらなく良い。

正直なところ動物でなくてもいいと思う。なぜなら、薄井ゆうじの描く動物達は人間そのものだから。

不器用で何かとギクシャク生きているあたりが、愛しくてたまらない。「こういう人間って、いるよね。いるいる」てな感じなのだ。

生身の人間で、こんなことを書かれたら、こっ恥ずかしくて逃げ出したくなってしまうだろうけれど。そう思えば、やはり動物として書くことに意義があるのかも知れない。

薄井ゆうじの作品は星新一のショートショートにも似ているようだし、立原えりかの童話にも似ているように思う。

いっけんすると既成の作家さんの2番煎じのようなのに「どこか違う」と思いながら、この作品(4冊目)を読んでみて、ちょっとした「違い」を発見した。

薄井ゆうじの作品は、ファンタジーめいているし、ちょっとSFも入っているが、文章に贅肉がないのだ。それでいて、人間臭い。

星新一よりもあたたかく、立原えりかよりもベタついていない。

私は、とても好きなタイプの作風ではあるけれど、ちょっと地味かな……と思ったりする。

本好きの友人にも勧めたいと思うのに「セールスポイント」を上手く説明できないのだ。まったくもって個人的なマイブームである。そして、しばらくはブームが続きそうな予感がする。

好きで好きでたまらず、熱中して読み耽る……というタイプの作品ではないけれど、重いものばかり読んだ後や、ちょっと活字に草臥れた時には読んでみたいと思う1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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