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下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん 嶽本野ばら 小学館

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嶽本野ばらがこんなに下衆で面白い作品が書ける作家さんだとは思っていなかったので、ある意味において衝撃的だった。

私は、こういう馬鹿馬鹿しい作品は大好きなのだが、この作品は嶽本野ばらのファンを減らさなかったのだろうか?

初期の「上品乙女」な作品を支持していた読者にはウケないだろうなぁ……などど、他人事ながら心配してしまった。

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下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん

四方八方田んばだらけの茨城県下妻。

そんな田舎で浮きまくりのバリバリロリータ少女・桃子は、大好きなお洋服欲しさに始めた個人販売で、これまた時代遅れなバリバリヤンキー少女・イチコと出会う。

見た目も趣味も全く違うこの二人。わかり合えるはずはないのに、やがて不思議な友情が芽生えて…。ギャグぶっちぎり!思いっきり笑ってほんのり泣ける爆走青春ストーリー。

アマゾンより引用

感想

茨城県の下妻という土地に引っ越してきた関西生まれのロリータ娘と、下妻育ちのヤンキー娘の友情物語である。

馬鹿馬鹿しすぎて涙が出てきそうだった。

嶽本野ばらお得意の「お洋服論・ロリータ論」は、あくまでも見苦しく、そして初登場の「ヤンキー論」まで書かれては、もうどうしたら良いのか……という感じ。

しかしながら馬鹿馬鹿しいことを真面目に書いてしまうところに、とても好感が持ててしまったのだ。「いい年した大人」が、こういう文章を書けるってことが素敵だし、カッコイイ。

ロリータとヤンキーが仲良くするなんてことは、まずもってありえないと思うのだけれど「異種交流」って言うのだろうか。

受け入れ難いものを否定しない姿勢は素晴らしいと思うのだ。

現代は個性の時代だといわれているけれど、それでもボーダというものは確実に存在するし、ボーダー超えをした人に対して優しい世の中とは言い難いだけに、徹底した理想とか、夢物語も必要だと思うのだ。

かなり噛み砕いた文章なので漫画を読むような感覚で、サクサクッと読めてしまった

。品のいい文章ではないし、読者の年齢を下げてきているのか内容も幼稚だが、ツボにハマれば面白いのではないかと思う。

私は「面白かった派」だが、好き嫌いは分かれそうな気がするなぁ。

それにしても巻末に載っている作者近影には、ちょっと引いてしまった。

スーツ着用でヘッドドレスつけるのって、どうよ? そこまでやるなら、いっそ女装してくれたらいいのに。

まぁ、それはそれとして、ここまで痛いことしてくれる人には滅多にお目に掛かれないので応援したいなぁ……なんてことを思ってしまった。

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