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変な家 雨穴 双葉社

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『変な家』は覆面作家でユーチューバーの雨穴によるミステリ(ホラー?)小説。雨穴の作品は『変な絵』に続いてこれで2冊目。若者世代に流行っているらしく高校2年生の娘も好きみたい。ちなみに2024年の春に映画化されている。

今回は「家の間取り」が謎解きの要素になっているので、独身時代にハウスメーカーでCADオペレーターをしていた私はワクワクしながら手に取った。

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変な絵

ザックリとこんな内容
  • 「あなたも、何かがおかしい9枚の絵の「謎」が解けますか?」をコンセプトにした謎解き小説。
  • とあるブログに投稿された『風に立つ女の絵』、消えた男児が描いた『灰色に塗りつぶされたマンションの絵』、山奥で見つかった遺体が残した『震えた線で描かれた山並みの絵』等、9枚の絵が登場する。
  • 9枚の絵の作者はそれぞれ別人だが、全て1つの物語として繋がっていて、謎が解けた時に真実が明らかになる…

感想

雨穴と言う作家さんはミステリの手法を色々試しているんだなぁ…ってことが『変な絵』『変な家』を続けて読んでみて伝わってきた。

今回は家の間取り図がいくつも登場するのだけれど、住宅業界にいなくても間取り図を見るのが好きな人なら序盤はそこそこ楽しめると思う。パッと見て普通に「変だ」と分かる図面で、もうこの時点である意味ファンタジーって感じだった。注文住宅ならアリと言えばアリなのだけど。

そこそこに面白かった…と言えばそうなのだけど、肝心の「家」と物語の本質の繋げ方があまりにも強引過ぎだった。ミステリ小説の粋を越えたファンタジーって感じ。『変な絵』以上に漫画ちっく。

40代以上の漫画好きの人なら薄っすらと覚えていると思うのだけど、昭和50年~60年頃に、ホラー漫画が流行ってホラー漫画専門誌が発行されていた時に読んだ作品群にありそうな感じなのだ。グロテスク系じゃなくて仕掛けとか物語で読ませるタイプの作品には『変な家』のノリに似た物が多かった。

……と言う訳で残念ながら私に『変な家』に対して新鮮味を感じることが出来なかった。

ただ私は新鮮に感じなかっただけで、当時のホラー漫画ブームを知らない世代の若者には面白いのだと思う。そして新しい方向に次々チャレンジしている雨穴の姿勢は評価したい。『変な絵』はシリーズ化しているようで『変な家2』もあるとのこと。気が向いたら読んでみようと思う。

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