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コンビニララバイ 池永陽 集英社

はじめて手に取った池永陽の『走るジイサン』に、ぞっこん惚れてしまったので、期待に胸を膨らませて読み始めたのだが、今回の作品はイマイチだった。

コンビニを舞台にした人情譚なのだが、いかんせん漫画ちっくでいただけなかった。

漫画や、TVドラマだったら絵や役者さんの演技の分だけ楽しめただろうが、小説となると「嘘っぽさ全開」という雰囲気で、ハマりきれなかったのだ。

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コンビニララバイ

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集英社
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小さな町の小さなコンビニ、ミユキマート。オーナーの幹郎は妻子を事故で亡くし、幸せにできなかったことを悔やんでいた。店には、同じように悩みや悲しみを抱えた人が集まってくる。

堅気の女性に惚れてしまったヤクザ、声を失った女優の卵、恋人に命じられ売春をする女子高生……。

彼らは、そこで泣き、迷い、やがて、それぞれの答えを見つけていく――。温かさが心にしみる連作短編集。

アマゾンより引用

感想

いっそのこと浅田次郎くらいにブチ切れて書いてくれれば面白かったのかも知れないが、どうも方向性が中途半端というか。騙すなら、もっと大掛かりに騙してくれよ……と思ってしまった。

中でも「これって、どうよ?」と思ったのはヤクザがコンビニ店員の女性に惚れるという話。惚れた女から「ヤクザは嫌い」と言われたために、ヤクザを抜けて愛を貫こうとする……。

もしも……である。「きみのためにヤクザをやめた」と小指を詰めた男から愛を告白されたら、普通はどう思うだろう?

ものすごく困るんじゃないだろうか。まして「ヤクザとは付き合えない」という自分の言葉がキッカケで指つめられたりしたら、好きでなくても「好きにならないといけないかも」って気持ちになってしまうのではなかろうか?

もちろんお互いに好きあって、そうなったのなら話は別なのだが。最近読んだ漫画にあった言葉……「好意を示されたら、自分も好意を持たなければならないのか?」という『トーマの心臓』萩尾望都を思い出してしまった。

浪花節というのは、難しいんだなぁ……と思った。

ツボにハマれば泣いてしまうほど感動するのに、少しでもはずすと「なんじゃ、こりゃ?」と思ってしまうらしい。

私がこの作品が駄目だった理由は書き出してゆけば色々あるのだが、けっきょくのところ泣きのポイントが違ったのだろうと思う。人情系だし、けっして悪い作品ではないのだから。

最初の興奮は醒めてしまったけれど、とりあえず池永陽の書く作品はもうちょっと読んでみたいと思う。

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白い木蓮の花の下で
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