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そして、バトンは渡された 瀬尾まいこ 文春文庫

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『そして、バトンは渡された』は2019年本屋大賞受賞作。2021年度の売上ナンバーワンだったとのこと。巷でも大絶賛されていたと記憶している。

「なんか評判良くてハートフルっぽい内容の作品らしい」と認識していてたので「手堅く良い話なら慌てて読まなくてもいいか」とか「気持ちが荒んでいる時とか、当たり本に出会いえない時に読もう」とか思っていて、今まで手を付けずにいた。

ゴメン…巷で大絶賛されていたようだけど私には1ミリも受け入れられなかったし、何な読後に本を壁に叩きつけたいような衝動に駆られる壁本だった。

今回の感想はネタバレ込だし、良いこと1つも書かない勢いの感じ悪いものになるので瀬尾まいこが好きだったり『そして、バトンは渡された』が好きな人はご遠慮ください。

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そして、バトンは渡された

ザックリとこんな内容
  • 主人公の優子は幼い頃に母親を亡くし父親や祖父母と暮らしてきた。
  • 父は再婚し、継母の梨花は優しくて幸せな生活を送っていたが、父の海外赴任を機父は梨花は離婚。優子血の繋がった父ではなく、継母の梨花との生活を選ぶ。
  • その後も優子は大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない〝父〟と暮らしていた。
  • 血の繋がらない親の間をリレーされながら、出逢う家族に愛情を注がれてきた梨花が結婚する時……

感想

巷で大絶賛されている作品が心に刺さらない…どころか「全く理解出来ない」「むしろ壁に投げつけてやりたい」となった時は困惑してしまう。「私の感性って変なの?」と。

瀬尾まいこの作品は今までも数冊読んできたけど、正直どれもこれも微妙な引っ掛かりがあった。たぶん私は瀬尾まいこの作品と相性が悪いのだと思う。「今後の人生で瀬尾まいこの著作は手に取らない」と心に決めた。

『そして、バトンは渡された』は温かい家族の物語…みたいな位置づけになっているけれど、温かいどころか「ものすごく身勝手でクズな大人と身勝手な大人に振り回された少女の物語」としか思えなかった。

色々とツッコミどころはあるけれど中でも継母の梨花はクズ過ぎないか? 梨花の辿った行動はザックリこんな感じ。

  • 子ども(ヒロインの優子)のいる男と結婚する
  • 夫がブラジル転職するのが嫌で離婚を決意
  • 夫の連れ子生活スタート
  • シングルマザー生活をするも計画性がなく貧困状態が続く
  • 年上で金持ちの男と再婚。何不自由ない生活に突入
  • 何不自由ない生活が気に入らずに連れ子を置いて出奔
  • 別の男(東大卒エリート)と再婚。連れ子を迎えに来る
  • 重い病に罹っていることが分かり、連れ子を悲しませたくなくて出奔
  • 離婚して、金持ちの前夫と再婚
  • 連れ子は東大卒エリート元で養育してもらうことにする

……と言う訳で梨花は3人の男性と結婚&離婚を繰り返し、そのおかげてヒロインの優子は3人の父を持つことになる。

いやいやいや。美談じゃないでしょ。コレって。

梨花は普通にクズ過ぎる。そもそも最初の離婚で「夫がブラジルに転勤するの嫌だから離婚する」とか無いし、それが引金になって離婚したとしても、実の父親からの手紙を優子に渡さずにいるとか酷過ぎるので?

梨花もクズだけど実の父のもクズと言えばクズ。頼れる実の両親がいるのであれば、両親との行き来はあっただろうし、南極越冬隊じゃないんだから、子に会いに行ったり探しに行くことは出来たよね? 明治とか大正の話じゃないんだから。

お金目当てで結婚した2番目の男(優子にとっては父)と、堅実さ目当てで結婚した3番目の男(優子にとっては父)は良い人達ではあったものの「梨花に利用されていた男」としか思えなかったし、なんかこう気の毒過ぎだった。

そして物語の本質とは関係ないけど、作品の中で大きなウェイトを占める「ピアノ」の扱いにもムカついた。

「小学校6年生になるとピアノを習う子が増えて…」みたいな話になるのたけれど、いったいそれって、どこの国の話? 日本ではむしろ小学校6年生なるとピアノを辞めるのが一般的。梨花は優子と2人で貧困生活にあえでいた時「優子にピアノを習わせたい」と言うところから、金持ちで年上の男性と再婚する。

確かに大きくなってからピアノに触れる人もいるけれど少数派。ましてや僅か数年ちょろっと習っただけで「合唱祭の伴奏が出来るくらい上達する」とかあり得ないし、出来たとしたら天才レベル。

ヒロイン優子は最終的にピアノで繋がった男性と結婚するのだけど、彼は音大卒なのにピアノは挫折して「ピアノが楽しめるレストラン作る」とか言ってイタリアに行っちゃったりする。音楽で生きていこうとしていた人が挫折するのはよくある話なので、これについては特に何も思わなかったけれど、一旦挫折したあとで「やっぱり彼には音楽しかないよ」みたない流れを作って「ピアノで食べていく」とか、もう頭がお花畑としか思えない。

音楽、舐めんなよ。音楽(音楽に限らず芸術全般)で食べていくってのは選ばれし勇者か太い実家がある人間にしか無理な話。低年齢向けの少女マンガや少女小説ならアリかも知れないけれど、大人向けの小説でこの設定はおふざけが過ぎる。

なんかもう…設定から何からムカつきまくりだったのだけど、それでも私は思ったのだ。「瀬尾まいこって人はきっと独身なんだろうな。結婚して子育てしてみないと見えない世界があるだろうし、まぁあまり厳しいこと言うのもアレだよね」と。

……で。瀬尾まいこの来歴を調べてみたところ、結婚して教師経験も子育て経験もある人だった。そして実務経験は無いにしろ保育士資格も持っている!

……保育士資格の勉強した時に「児童の権利に関する条約」とか「児童福祉」とか、子どもに関する法律とか、そういうところ勉強しなかったの? 勉強したのに妙ちきりんな設定の小説書いて平気なの?

とりあえず大きくムカついた2点「梨花がクズ過ぎた&ピアノ舐めんな」を取り上げたけれど、ツッコミたい部分は山ほどあって書き切れないほどだった。ここまでツッコミを入れたくなった小説も珍しい。

瀬尾まいこの作品は度と読まないと強く心に誓った。瀬尾まいこ好きな人ゴメンね。世の中には色々な感想があるってことで。

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