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息子のボーイフレンド 秋吉理香子 U-NEXT

最近、社会が「多様性を認めよう」みたいな流れになっていて、それに乗っかった作品なんだろうなぁ…と予想して読んだのだけど、予想の斜め上を行く作品だった。

なんと言うか…世間的な評価は良さそうなのだけど、私は「秋吉理香子」の作品はもう読まなくていいかな…ってくらいにはムカつく作品だった。どうして好評なのか本気で理解できない。

今回はネタバレ全開でディスっていくスタンスの感想なのでNGの方はご遠慮ください。

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息子のボーイフレンド

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ザックリとこんな内容
  • 主人公の杉山莉緒は夫と高校2年生の一人息子の聖将と暮らす平凡な専業主婦。
  • ある日、莉緒は息子からゲイである事をカミングアウトされる。
  • 息子の好きになった人は20歳で一流大学2年生の藤本雄哉。雄哉は非の打所好かないイケメン青年だった。
  • ひとまず二人の交際を認めた莉緒だったが…

感想

『息子のボーイフレンド』をゲイの当事者が読んだら、どう思うんだろう? よくまぁ、こんな失礼な作品を世の中に送り出したものだと呆れてしまった。

内容のグダグダさもそうだけど設定があまりにもご都合主義。

  • イケメン高校生とイケメン大学生のゲイカップル(互いに初めての彼氏)
  • 元腐女子の母と、元腐女子の母の親友。
  • 会社員の父はLGBTへの理解を深めるための企画を任せれている総務の人。

息子も息子のボーイフレンドも超イケメン設定。しかもお互い「初めて好きになった男性」という事なのにその恋愛は超スムーズで、もはやボーイズラブ小説と言っても良いレベルだった。

彼女がいて自分がゲイ(実際は彼女ともセックスをしているのでバイセクシャルなのだろうけど)だと知らなかった大学生の男の子が、生まれてはじめて高校生男子を好きになった…ってのはアリだとしても、初めての同性の恋人に甘い誘惑をしてセックスに持ち込もうとする…なんて、無理過ぎないか?

まず「男同士でどうやって交わるのか?」って知識を得るレベルのところから悩むだろうし、真面目設定なのにあんなに甘い言葉をホイホイ言うだなんて「どこのボーイズラブ小説よ?」って話だ。

いや…まぁボーイズラブ小説ではアリだけど、あれは一種のファンタジーだからなぁ。ボーイズラブ小説は男性が好む「ハーレム設定のラノベ」とほぼ同じで、その感覚を大人の小説に持ち込むのはどうかと思う。

ゲイであることをカミングアウトした息子の母である主人公、莉緒が腐女子だった…って設定はギリギリ許容範囲だったけれど、妄想の世界であるボーイズラブと現実的な話を混同したり息子で妄想するとかヘドが出る。

私も若い頃はボーイズラブの二次創作をしていたのでボーイズラブには理解がある方だと思うのだけど、40歳を過ぎた母親がボーイズラブの感覚を自分の息子に持ち込むとか無理があり過ぎる。

さらに言うなら「一緒に同人誌を作っていた親友」が登場し家族のナイーブな問題に踏み込んできて「妄想してるんじゃない?」なんて発言をするなんて「いくらなんでもあり得ないでしょ?」と思ってしまった。

なんかもう色々とダメ出ししか出て来ないのだけど、小さい頃に一緒に遊んでいた兄的存在だった人がゲイだと知った時に「オカマなの?」と発言するあたりは、あまりにもリアリティがなさ過ぎてビックリしたのなんのって。

今の中学生って学校で「多様性」とか「セクシャルマイノリティ」の問題に触れているので、感覚的にセクシャルマイノリティを受け入れられないにしても「男同士で愛し合う人は片方がオカマで女装している」なんて考えには至らないと思う。今の公立小中学校で、その類の授業を全くしない学校なんて皆無ではなかろうか。

秋吉理香子はいつの時代を背景に『息子のボーイフレンド』を書いたんだろう?

「息子からゲイだとカミングアウトされて戸惑ってしまったけれど、息子を理解しようと努力していこうと思います」みたいなラストになっていて、ハッピーエンドに収まっているけれどコレジャナイ感が半端なかった。

こういうテーマを書くのが駄目って訳じゃないけれど「もう少し真面目に取り組んでくれよ」と言う気持ちでいっぱい。

そして腐女子として活動していた過去のある私は声を大にして言いたい。「主人公とその親友みたいな軽薄な人間が腐女子と思われるのは大変迷惑です」と。「コメディ路線だから、そんなに怒らなくてもいいんじゃない?」って話ではあるけれど、お笑い芸人が人を馬鹿にするネタで人を笑わせているような不快感を覚えた。

2022年はまだ終わっていないけれど『息子のボーイフレンド』は2022年に読んだ作品の中でナンバーワンの壁本と言っても良いと思う。

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