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後妻業 黒川博行 文藝春秋

発売当初は書店で平積みされていて「爺を騙すのは功徳や」と言う帯が巻かれていたのを記憶している。

初めて目にした時は「高齢者目当ての犯罪って多くなってるし、いい題材を持ってきたなぁ」とは思ったものの、基本的にミステリーには興味が無いので読もうとは思わなかった。

その時は似たような事件で逮捕者が出るとは思ってもいなかった。「真実は小説より奇なり」と言うけれと、まさかそれを地で行く事件が起こるとは。

ニュースで事件がを知った直後、図書館に予約を入れようとしたら既に沢山の予約が入っていた。私と同じ事を考えた人が多かったのだろう。

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後妻業

金が欲しいんやったら爺を紹介したる。一千万でも二千万でも、おまえの手練手管で稼げや。

妻に先立たれ、結婚相談所で出会った二十二歳歳下の小夜子と同居を始めた老人・中瀬耕造は、脳梗塞で倒れ一命を取り留めたものの意識不明の重体に。

だが、その裏で、実は小夜子と結婚相談所を経営する柏木は結託、耕造の財産を手に入れるべく、周到な計画を立てていた。

病院に駆けつけた耕造の娘・尚子と朋美は、次第に牙をむく小夜子の本性を知り…。

アマゾンより引用

感想

作品の内容は書かずとも題名から予測出来ると思う。

妻を亡くしたお年寄りの後妻に入って遺産をふんだくる事を生業にしている女と、その女の周囲にいる人間の物語。

純文学系だったら同じテーマでも「女の一生」的な感じで描かれるのだろうけれど、ミステリーらしくストーリー重視。どんどん話が進んでいって飽きない構成になっていたので、ミステリー慣れしていない私でも難なく読む事が出来た。

面白かったと言えば面白かったけれど、私には少し物足りなかかった。

どちらかと言うと「人の生き様」を読むのが好きなので、犯罪重視の話はイマイチ入り込めないのだ。物語的には面白いのだけど、小夜子と言う女についてもっと掘り下げて欲しかったな……と。

これは好みの問題なのでミステリーファンが読めば感想は変わってくると思う。

……とは言うものの「上手いなぁ」と思える作品だった。大阪メインの舞台なのだけど、事件の起きた土地の選び方がなかなか上手い。

堀江の高級マンション、藤井寺のマンション。千里・北摂の描き方。旅行先の白浜や徳島。大阪の人間を熟知しているなぁ……と感心しきり。

作者の黒川博行は大阪在住と知り「なるほどなぁ」と納得した。

そして本筋とは全く関係ないけれど、食事の描き方が印象的だった。

病院で食べる不味いサンドイッチだの、伸びたラーメンだのといった「食事」と言うよりも「餌」と言うような物から、そうめんつゆを自分で作る女の描写があったりして「食べる」という行為がとても丁寧に描かれていた。

黒川博行は食べる事が大好きな人なのだろうか?

黒川博行の描く食べ物エッセイとかあれば読んでみたい。

それにしても、本の発売と、本の内容を地でいったような事件を起こした女の逮捕がほぼ同時期だなんて、なんだか運命めいたものを感じる。

娯楽として読むには充分に楽しめる1冊だと思う。

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白い木蓮の花の下で
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