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陛下 久世光彦 新潮文庫

『陛下』は久世光彦の書いた作品の中で2番目に好きな作品。

ちなみにナンバーワンは『早く昔になればいい』である。2つの作品の共通点は「静かに狂う女」と「男による一人称」であること。

「狂う女」というのは作者がお気に入りのモチーフ。他の作品にも多々登場する。

そして「男による一人称」もについても他の作品でも使われているけれど『早く昔になればいい』と『陛下』は頭1つぶん飛び抜けたクオリティだと思う。

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陛下

ザックリとこんな内容
  • 主人公は陸軍中尉・剣持梓。
  • 主人公は幼い頃から「陛下」への熱い思いをつのらせていた。
  • 主人公は戦死した兄が慕っていた北一輝との交流することで二・二六事件に関与することになる。
  • 二・二六事件の外伝(あくまでも創作)のようなノリで描かれている。

 

感想

久世光彦の使う「男による一人称」は上品に嫌らしくて素敵だ。

『陛下』の主人公剣持梓は軍人さんで、軍人さんなのに「陛下」に妖しい感情を抱いているという変な人である。どこか破綻しているというか、壊れていると言っても過言ではない。

しかし人間ってのは、誰しも多少はそういう不具合を持ち合わせているもので、主人公の壊れっぷりは決して奇異なものとは思えない。

自分の内へ内へと向かっていき、1人よがりな快楽を楽しむのも、これまた楽しいものなのだ。

剣持梓の壊れっぷりも素晴らしかったが、剣持梓を慕う遊女お弓も魅力的だった。

そして、その2人は肌を合わせながら、ちっとも通じ合っていなさそうなあたりが面白い。2人とも1人遊びが上手すぎるのだ。

妄想ワールドというか……自分の世界を作るのが上手すぎる人というのは、他人の人生に踏み込む余裕がないのだろうか。

今回、再読してみての発見は、作者の作品は梅雨じぶんに読むと素敵かも……ということ。

今までは「冬」に似合う小説だと思っていたのだが、冬よりも、むしろ梅雨だと思った。雨音や、湿度を感じながら、肌にまとわりついてくるような小説を読むのもまた一興。

それにつけても「肖像がを仕込んだ義眼」のエピソードは何度読んでも痺れるなぁ。淫靡な香りがして最高に素敵だと思う。

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白い木蓮の花の下で
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