『京大少年』はベストセラーになった『京大芸人』の続編とのことだけど、実は私。『京大芸人』は読んでいない。
『京大少年』を読んで、たいそう気に入った娘から「お母さんも読んでみて」と熱烈に勧められたので読んでみることにした。
ちなみに娘は菅と宇治原のコンビ「ロザン」が大好きで「菅ちゃんの『京大芸人式日本史』がなければ、嫌いな歴史がもっと嫌いになっていた。歴史でまあまあ点が取れるのは菅ちゃんのおかげ」と言うほど、ロザンの菅を信頼している。
娘に勧められて「じゃあ読んでみるか」くらいの気持ちで読んだけど、なかなかコレが面白かった。
京大少年
- ベストセラー『京大芸人』の続編。IQ芸人・宇治原について、相方の菅からの視点で描くる
- 幼稚園入園以前から「賢かった」宇治原は優秀であるがゆえに、常に違和感を抱いていた。
- そんな宇治原と友達になった菅は宇治原と共に芸人の道を志す。
感想
『京大少年』を大阪風にひと言で解説するとコレに尽きる。
「ちょっと、自分ら仲良し過ぎやな!」
日頃からテレビを観ていてロザンの2人が仲良しのなのは分かっていたけど、『京大少年』を読んで「なるほど。少年時代からずっと仲良しだったのか」とロザンの仲良しの歴史を確認させてもらった。
ロザンは全国区とは言えないコンビ芸人だけど大阪だとローカルニュース番組などにも出演しているしCM等でもよく見掛けるので、大阪人にとっては馴染深い存在。
『京大少年』では宇治原の変人っぷりが描かれていて「超絶賢い人って、やっぱり変だよなぁ」と面白かった。
1番面白かったのは宇治原は子どもの頃に大人から「賢いね」と褒められても「なめてんのか?」としか思えなかった…ってエピソード。宇治原の言い分はこんな感じ。
「おまえが鳥やったとして、飛んでて『飛べて賢いですねぇ』って言われたら腹立つやろ?(飛べるに決まってるやん!!!)と思うやろ?」
『京大少年』より引用
ちなみに菅は「あ…じゃあ、なんなら高く飛びましょか?」と思ってしまうタイプとのこと。
鳥のエピソードはあくまで一例だけど、宇治原の思考は一事が万事ズレていて、そこが菅には面白かったらしい。そして菅は宇治原を面白がっているだけでなく、心底尊敬しているところがとても良い。
菅は宇治原の良き理解者であり友人なんだなぁ。そして宇治原もまた菅を友人として大切にしていて、最高のコンビだと思った。
私は「この子達、ほんとうにエェ子やなぁ~」と大阪のオカン的な目線で読んでしまったのだけど、娘は菅と宇治原の小学校から高校までのエピソードは自分自身の現在と重ねて読むことが出来るので、また違った楽しみがあったみたいだ。
『京大少年』は読んだからと言って役に立つような、ためになる系の作品ではなく「いい話だなぁ~」で終わっちゃうタイプの作品だけど、読んで楽しく気持ちの良いエッセイだと思う。