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14歳、明日の時間割 鈴木るりか 小学館

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鈴木るりかが小学生の時に『12歳の文学賞』を受賞した『さよなら、田中さん』が衝撃的に面白かったので、続けて2作目も読んでみた。

『14歳、明日の時間割』は鈴木るりかが中学生になってからの作品とのこと。

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14歳、明日の時間割

ザックリとこんな内容
  • 中学校を舞台にした7つの短編が収録されている。
  • カバーイラストはカラテカの矢部太郎。
  • 作者である鈴木るりか自身の私小説的作品も含まれる。
  • さよなら、田中さん』とは違った形式で、短編の主人公はそれぞれ別の人物。

感想

初めて読んだ『さよなら、田中さん』が衝撃的過ぎたものだから、ちょっと期待し過ぎてしまったのかも知れない。

「中学生が書いた小説」と言われたら十分凄いと思うし、よく書けているけれど、巷で絶賛されているほど良かったとは思えなかった。

中学生にしては難しい言葉や言い回しを沢山知っていて、よく勉強していると思う。そして、たくさん本を読んでいる人が書いた作品だってことも分かった。

……でも、それだけだ。

こればかりはどうしようもないんだ…ってことは理解しているけれど、とにかく視野が狭い。

中学生なりの物の見方、考え方なのだから仕方がないとは思うのだけど、視野も世界も狭いので作品がどうしても薄っぺらくなってしまっている。

中学生はまだ良い。大人が大人じゃないのだ。

『14歳、明日の時間割』に登場する大人達は全員、中学生フィルターを通して見た大人像でしかない。

小中学生の読み物としては充分面白いと思うのだけど、鈴木るりかを子ども扱いせず、1つの作品として読むとその道のプロの書くも作品には追いついていない気がする。

鈴木るりかに足りないのは作家としての経験でなくて、彼女自身の実体験だと思う。中学生なんだのも。中学生なりの物の見方しか出来ないのは仕方がないことだ。

残念だけど、作品として評価するなら「面白かった」とは言い難い。

ただ、小学校6年生の娘は『さよなら、田中さん』より面白かったとのこと。学校生活がリアルで親近感が持てたらしい。

私は鈴木るりかの将来に期待したい。

これからもどんどん書いて欲しいし、小説を書く以外にも色々な経験を積んで欲しい。そうすることで、きっと作品の幅が広がっていくと思う。

私は作家の成長を見守っていくのも本を読む人間の楽しみだと思っている。

今回の作品はイマイチたったけれど、次の作品と鈴木るりかの今後の成長に期待したい。

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