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うかれ女島 花房観音 新潮社

新年1冊目の感想はエッチな作品からスタート。2021年度に『果ての海』『わたつみ』と私の心を鷲掴みにしてくれた花房観音の3冊目。

『うかれ女島』と言う題名から察した方もおられるかと思うのだけど、売春島にまつわる物語。花房観音…やっぱり凄い。控えめに言って…めっちゃ好き。

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うかれ女島

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ザックリとこんな内容
  • 大和は小学生の時「お前の母親は淫売や」と言われて育ってきた。
  • 母は大和が小学生の時、飛田新地から売春島渡り、それ以来絶縁状態。
  • 島で売春婦、女衒として生きた母は20年後に溺死体となって発見された。
  • 遺されたのは、4人の女の名前が書かれたメモ。自分が死んだら彼女達に知らせて欲しいと母は息子に書き残していた。
  • 4人の女の1人に誘われ大和は島へ向かうのだが……。

感想

一応サスペンスの体になっているけれど、サスペンス要素は非常に低い。謎解き云々ではなく、純粋に物語を楽しんだ方が良いと思う。

果ての海』『わたつみ』と同じくテーマは「女の性」。何しろ主人公の母親が売春婦(引退してからは女衒)として生きてきた…って設定なので性を売る女がたくさん登場する。ただし主人公はそんな母のことを恥ずかしく思っている…と言う設定。

花房観音の凄いところは快楽を追求する女を「不幸なもの」として描いていないところ。なんと言ったら良いのかな…性の快楽をもっと単純で普通のものとして描いているのだ。

私自身は売春どころか不倫の話も嫌いな人間だけど、不思議と花房観音の描く女達は嫌いじゃない…って言うか、むしろ好きだ。と言うのも、一般的には見下されるような女なのかも知れないけれど、母親として大事な物だけは守り通しているあたりにグッとくるのだと思う。もちろん、現実問題として考えると「自分の母親が売春婦ってどうなのよ?」ってとこではあるのだけれど。

物語に登場する女達はそれぞれタイプが違うのだけど、どこか「うんうん。分かる分かる」と共感する部分がある。売春婦だからって「男をたぶらかす悪女」って訳じゃなくて、純粋だったり、間が抜けていたり、意外と真面目だったりする。仕事は違うけれど、私とさほど変わらない。

いやぁ…女性作家でここまで「性」に吹っ切って書きまくってる人って、他にいるだろうか?

女の性とか、業を書いた作家は沢山いる。例えば昨年亡くなった瀬戸内寂聴なんかもそうだけど、花房観音ほど突き詰めていていた訳じゃなかったなぁ…と。

私。しばらく花房観音を追うと思う。そう決意するくらい面白かった。

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白い木蓮の花の下で
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